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パオロ・マッツァリーノ公式ブログ
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悩めるお母さんのための読書案内が更新されました

 こんにちは。さすがに暑さにちょっとやられ気味なパオロ・マッツァリーノです。アメリカも昨シーズンの記録的暖冬から引き続き、猛暑と干ばつが続いてるし、先日はヨーロッパも熱波に襲われてました。でも、日本や東アジア、東南アジアの湿度の高い暑さは、世界一凶悪なんじゃないですか。

 さて今月もまた、悩めるお母さんのための読書案内が更新されました。今回ははじめてマンガを取りあげました。といっても、私はマンガの情報や知識にはかなり疎いほうです。単行本が出るたびにマンガ喫茶で読んでる作品が3つ、4つくらいはあるのですが、いまどんなマンガが人気があるかとかはほとんど知りません。
 文中で、バブル世代はチョコミントアイスが好きとかいっとりますが、確かめたわけではありません。なんとなく私の記憶では、バブルの頃に流行ってたようなイメージがあるんですが。
 ところでチョコミントアイスって、これ以上ないくらい個性的な味ですよね。私はあまり好きではないのですが、これを発想して最初に作った人の感性は、正直すごい。海外のサイトを検索したら、イギリスのアン王女の結婚式にデザートとして出されたのが最初だとのこと。あまりに情報が少ないので裏が取れないのですが、この説が本当なら、1973年ですか。チョコミントアイスって、そんな前からあったんですね。

 ちかごろ、領土をめぐって、きな臭いニュースばかりです。いいたいことはいろいろありますが、とりあえずひとこと。なんにせよ、怒りをあらわにすることは、そんなに悪いことではないと私は思ってます。領土問題や政治問題のみならず、身近なことに到るまで、日本人は何事にも怒らなすぎるくらいです。ただし、怒りは問題に対して直接向けるべきです。領土問題の怒りを韓流ドラマ批判で晴らしたりするような八つ当たりは無意味です。
 私はしょっちゅう怒ってます。図書館で携帯電話で話してるオッサンに怒る。電車で靴履いたまま座席に上がってるこどもの親に怒る。リードをつけずに犬を散歩させてる人に怒る。怒るといっても、コラー! と声を荒らげるのではなく、それをやめてください、やめなさい、と静かに、ただし、断固として申し入れるだけです。怒るとスッキリするか? とんでもない。怒るとよけい不愉快になります。でも、怒らずガマンするともっと腹が立つし、なんの解決にもなりません。
 日常生活のつまんない怒りと国際問題を一緒にするな、といわれそうですが、私は、両者は意識の上ではまったく同じだと考えてます。身近な自分自身の問題から逃げてる弱虫が、国際問題に対して「政府は弱腰になるな!」なんて叫ぶ姿は、私にとってはちゃんちゃらおかしいことですね。
[ 2012/08/24 21:37 ] おしらせ | TB(-) | CM(-)

アートはジョークなのか?

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。毎日暑いですね。
 世間はお盆休みです。自由業の私には世間の休みはあまり関係ありません。先日仕事が一段落したところなんで、旅行などに出掛けるチャンスなのですが、この暑さですし、みんなが出掛けて混雑しているときにのこのこ出掛けて混雑に拍車をかけるのもねえ。
 ワイルドじゃないんで、バーベキューやキャンプなんて野外活動もごめんです。暑いさなかにわざわざおもてでメシ炊いたり肉焼いたりして、なにが楽しいのか、意味がわかりません。
 というわけで、もっぱらウチで本読んだりテレビ見たりして、だらだらとすごしています。
 拾いものだったのは、WOWOWで放送された『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』というドキュメンタリー映画。現代アートに縁のない私は知らなかったのですが、バンクシーというカリスマ的なストリートアーティストがいるそうです。街中にゲリラ的に作品を置いたり、違法なことをするので、顔を出さない覆面アーティスト。
 彼についてのドキュメンタリーなのかと思ったら、ちがいました。バンクシーの追っかけをしてた、ストリートアート好きなヘンなオッサンが主役なんです。このオッサン、芸術の才能がまるでないくせに、バンクシーのお世辞を真に受けて自分もストリートアーティストを目指してしまいます。もちろんアートの世界ではなんの実績もないのですが、もともと古着屋商売をしてて金持ちだったんで、湯水のごとく資金を投入し、大々的に展覧会を開き、宣伝して、他人のパクリばかりのしょうもない作品を大量に展示したら、なんと、百万ドル以上売上げて大成功し、いまじゃすっかり大物アーティスト気取りです。
 いんちきなパクリ作品が名作として高値で取り引きされてしまう現代アートの実態を暴露した、ドキュメンタリーの秀作です。
 が、あまりにできすぎた話なので、この映画自体がでっちあげのフィクションなんじゃないか、このオッサンこそがじつはバンクシーなんじゃないか、という疑惑が映画公開後に取りざたされたようです。でも海外サイトなどの情報によれば、このオッサンの実在は確認されていて、バンクシー本人ではなさそうです。だいいち、面が割れてしまったら非合法なパフォーマンスがやりづらくなりますから、わざわざ素顔をさらす意味もないでしょう。
 それに、これまで個性的なアイデアやパフォーマンスをやって名をあげてきたアーティストが、たとえ他人名義であっても、皮肉や諷刺のためであっても、おのれの劣化コピーのような作品を大量に発表し続けるだろうかと考えると、アーティストの心理としてありえない気がします。
 まあ、万が一、これがフィクションだったとしても、コメディの傑作としてじゅうぶん評価に値します。いずれにしても観て損はありません。
[ 2012/08/13 17:04 ] おすすめ | TB(-) | CM(-)

見ていないけど、オリンピックを語ろう

 こんにちは。パオロ・マッツァリーノです。オリンピック見てますか? 私はそもそもスポーツ全般に対する興味関心がかなり薄いので、オリンピックの競技中継も全然見てません。が、どこのチャンネルもどのニュースもみんなオリンピック一色なんで、興味がなくても競技を見なくても、結果だけは知るところとなるわけですが。

 それにしても、なんでテレビに出てる人たちは、みんなオリンピックに興味があるフリをしなきゃいけないんですかね。タレントにせよコメンテーターにせよ、数いるうちには、「私、まったく興味ないです」って人がいてもおかしくない。いえ、興味ない人もかなりいるはずです。
 どうですか、と司会者に問われて、「さあ。見てないんで」「どうでもいいです」「テレビが見るものなくてつまんないです」って正直に答えるコメンテーターがいて当然なのに、みんながみんな口を揃えて、「オリンピック大好きです」「選手を応援しています」「毎日寝不足で」「感動をもらいました!」って、そういわないと、テレビを干されるの?

 詳しくないのでよく知らないのですが、メダル獲った選手は帰りの飛行機がファーストクラスで、メダル獲れなかった選手はエコノミーとか、そういう差をつけたりはしないんですか? そのくらいの軽い罰ゲーム的なノリがあったほうが、選手も本気でくやしがるんじゃないかと思うんですが。

 あと、いつも不愉快に思うのは、メダル獲った選手が帰国すると、地元で表彰式とかやるでしょ。そのとき、市長や知事が選手と並んで写真や映像におさまるんですけど、そいつらのほうが選手より目立ってたりするんです。おまえは、なんもしてねえじゃねえか、おまえは走っても泳いでもボールに触ってもないだろ、って、なんでだれもつっこまないんですか。
 むしろ、選手と並ぶ栄誉に浴することができるのは、選手の練習費用を出してやってたスポンサー企業の社長とかですよ。市長や知事はなんも協力してないでしょ。なのに、おまえはがんばったから、名誉市民に認定してやる、みたいな上から目線の態度をとって、他人の手柄に便乗するのが、政治家のあさましさ。

 『日経サイエンス』の9月号に、オリンピック関連で面白いデータが載ってました。前回の夏期冬期オリンピックで、種目別に選手がケガをした割合を一覧表にしてあるんです。
 ダントツでケガをする割合が高いのが、スノーボードクロスという競技。なにそれ? 調べたら、スノーボードでクロスカントリーみたいなコースをすべってタイムを競うヤツね。夏期競技で負傷率が高いのは、サッカーとテコンドー。でも解説によると、サッカーはプロの試合のほうがもっと負傷率は高いとのこと。
 意外な結果もたくさんあります。スケルトンなんて、あんな板っぺらに乗って猛スピードですべる、いかにも命知らずに思える競技が、じつはボブスレーよりも、フィギュアスケートよりも負傷率がかなり低いとか。
 モーグルなんて、それこそヒザがくだけそうな印象があるのに、負傷率は非常に低いんです。ただし、ケガをしてしまうと、重症になりやすいようです。長渕剛さんは、ライブ中にスライディングしてヒザやっちまったそうですが、ライブとモーグルとどちらが危険なんだろうとか、いろいろ考えてしまいます。
[ 2012/08/03 10:04 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

日本文化史

偽善のすすめ

13歳からの反社会学(文庫)

ザ・世のなか力

怒る!日本文化論

日本列島プチ改造論(文庫)

パオロ・マッツァリーノの日本史漫談

コドモダマシ(文庫)

13歳からの反社会学

続・反社会学講座(文庫)

日本列島プチ改造論

コドモダマシ

反社会学講座(文庫)

つっこみ力

反社会学の不埒な研究報告