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今年よかったもの

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。まとめ録りしておいた『救命病棟24時(第2シリーズ)』の再放送を見終わったところです。第2シリーズの松雪泰子さんが見たかったんですよ。あのクールビューティさがたまりません。

 気に入ったドラマや映画や本はブログで随時紹介してきましたが、まあ、年末ってことなので、あらためてまとめておきます。それと、私は映画館にはほとんど足を運ばず、ほぼすべての映画をNHKBSかWOWOW(とたまに地上波)でしか観ませんので、劇場公開から1年遅れで観ていることをご了承ください。

 今年のテレビドラマはもう『半沢』と『あまちゃん』一色って感じで、たしかにその2本はおもしろかったし、私も土下座ブームに巻き込まれていろいろコメントしたものの、返しはゼロ倍でなにも収穫なし。個人的にはDVDで見た『それでも、生きてゆく』の衝撃が大きすぎて、他のドラマの印象がかすんでしまいました。

 映画では、『私が、生きる肌』と『トガニ幼き瞳の告発』の2本が、どちらも不道徳でコワい映画でした。『トガニ』は正直いってあまり観たくないテーマだったのですが、構成とか撮りかたとか、映画としてとてもよくできてたし、勇気を持って社会の恥部を告発する韓国映画界の姿勢にも感心しました。
 よくできてるという点では、『おおかみこどもの雨と雪』。ファンタジーでありながら日常生活の描写が行き届いてるので、作りごとって感じがしないんですよね。

 古い日本映画では寺山修司が脚本を書いた『夕陽に赤い俺の顔』。もうめちゃくちゃ。アメフト選手の格好してる殺し屋なんかいるわけないだろ! 真っ昼間から銃持って団地を走り回るなよ! 殺し屋が目立ってどうするんだ! とマジメなかたならお怒りになるでしょう。バカ映画をこよなく愛するファンにのみ、絶対おすすめの珍品。

 ドキュメンタリー映画の『サイドバイサイド』。映画撮影がフィルムからデジタルに移行しつつある現状について、ハリウッドの有名監督たちが賛否を語ります。プロデューサー兼インタビュアーのキアヌ・リーブスさんが人脈を駆使したからこそ実現できた企画。意外な監督がフィルム派だったりするのがおもしろい。

 それにしても、私も40なかばになってしまいました。ほぼ確実に、人生の折り返し点をまわったはずです。ちょいちょい、体調が悪くなります。だましだまし、カラダを使いつつ、仕事をしていかないといけないのでしょうねえ。
 というわけで、来年もよろしくおねがいします。来年は単行本が出ます。2冊出せればいいんですが、どうなることやら。
[ 2013/12/29 17:51 ] おすすめ | TB(-) | CM(-)

むかしはよかったね? 連載第2回

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。最近のマイブームは納豆トーストです。納豆付属の和ガラシでなく、粒マスタードを使うのが、パオロ流。キューピーマスタードあらびきとか、スーパーで普通に売ってるヤツでけっこう。ちょっと酸味があるところがオツな味。和ガラシみたいに辛くないので、ちょっと多めに入れるのがコツです。しょうゆをたらして練ってからパンに載せ、スライスチーズをかぶせて焼くだけ。

 納豆のようにネバり強~く続けていきたい私の連載「むかしはよかったね?」が載っている新潮45の1月号が発売です。今号は目次を見てびっくりしました。執筆者の名前のカタカナ率がやたら高い。前号のアウェー感から、一転してホームな感じ。ヤマザキマリさんのマンガ連載まではじまってますよ。
 私の連載第2回のネタは「治安のいい日本で暮らせてよかった~!」です。
 当ブログではすでに何度か取りあげてますが、体感治安と実際の治安状況のズレがテーマです。現在の日本は、おそらく歴史上もっとも犯罪発生率が低くなっているのに、逆に、犯罪不安におびえる人はもっとも多くなっているという不思議な現象を、過去と現在を比較することで、あらためて検証してみました。
 振り込め詐欺被害が急増、とどこのマスコミも報じてますが、実際には被害件数は10年前の4分の1に減ってるし、戦前なんて現在の10倍以上の詐欺被害があったわけですよ。むかしのほうが悪い日本人はたくさんいて、身のまわりに犯罪があふれかえっていたんです。いまのほうがおとなしくていいひとが断然多いのに、凶悪犯が増えていると決めつけて、戦前のように小学校で道徳教育を強化しろ、なんて的外れな対策を講じようとする愚かで不勉強な日本のオトナたち。
 犯罪が増えると「過去最悪」と報じるのに、犯罪が減っても「過去最良」とは報じないマスコミ報道も偏ってます。
 さらに、空き巣の件数と新聞記事数を比較したら、体感治安が悪化するカラクリが明らかになりました。などなど、ブログでは書いてないネタが盛りだくさんなので、ぜひ、ご一読を。
[ 2013/12/18 10:26 ] おしらせ | TB(-) | CM(-)

エスカレーターの速度と片側空けについて

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。THE MANZAI 2013の最終結果には納得しつつも、私が二本目のネタも見てみたいと思った東京ダイナマイトと風藤松原はどちらも最終決戦に残れなかったのが残念。
 M-1のころからずっと思ってたんですけど、審査員の関西芸人さんたちは、やっぱり後輩の関西芸人に点が甘いような気がするのは、関東在住者のひがみでしょうか。

 大阪には何度も行きましたが、そのたびに――というか大阪に何日かいて、東京に帰ってくると、東京駅のエスカレーターが遅いように感じるんですよ。これも気のせいなんですかね?
 大阪はエスカレーターの速度を全般的に早めに設定してあるんじゃないかって前から疑っているのですが、何十台ものエスカレーターで計測して平均値を出さないと確かめられません。エスカレーターのメンテナンス業者のかたならご存じなのでしょうか。
 私は早めのエスカレーターのほうが気分がいいんで、もし、ホントに気のせいでなく大阪と東京で差があるのなら、大阪基準に合わせてほしいくらいですが、年寄りとか脚の不自由な人は逆に遅めがいいのでしょうし、むずかしいところです。数年前、年寄りがたくさん集まる巣鴨駅で降りたら、エスカレーターがこれでもかってくらいに遅くしてありました。

 急ぐ人が階段みたいに使えるように、エスカレーターの片側を空けるべきかという論争もなかなか決着がつかないようです。
 安全面という論点はとりあえずおいときまして、利用者の利便性の面だけを考えたいのですが、私は片側空けにやや批判的です。
 というのは、地下鉄構内なんかには、ものすごく長いエスカレーターがあるんです。こういうのには、上らない側に長蛇の列ができてしまいがち。
 その列を見てうんざりし、空いてる片側につい足を踏み入れてしまい、上を見上げたら頂上がものすごい上にあって、しまった、と後悔しつつも、途中で歩みを止めてしまうと、あとからのぼってくる人に、なにやってんだ、止まるんじゃねえよと無言のプレッシャーを受けそうだし。
 私も四十すぎて元気に階段をのぼるのがおっくうになってきたもので、ちかごろでは、のぼらないほうの列に並ぶことが多いのですが、そのときに理不尽さをおぼえるんです。
 だって、こっちには行列ができてるのに、もう片側はガラガラなんですよ。なんで一部の急ぐヤツの利便のために、のぼらない大勢の人が行列に並ばないといけないのか。片側を空けず、左右とも一段ずつ互い違いに人が乗ってしまえば――上から見るとこんな感じね。
上から見た図

そうすれば、待ちの行列は半分くらいになって、結局は、多くの人にとって利便性が高まるように思うんだけどなあ。どうなんでしょ。どっかのテレビ番組とかで、これ検証してくれませんかね?
[ 2013/12/16 18:23 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

ジュンク堂のPR誌に寄稿しました

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。
 お知らせするのが遅くなりましたが、ジュンク堂書店のPR誌『書標』12月号、「著書を語る」のページに寄稿しました。『ザ・世のなか力』の裏話なんぞを書いております。丸善・ジュンク堂のサイトにもPDFでアップされてますので、よろしければお読みください。
[ 2013/12/12 10:29 ] おしらせ | TB(-) | CM(-)

SACDなんて要らない

 こんにちは、新党アルデンテ代表のパオロ・マッツァリーノです。いまいちばんの関心事は、みんなの党からみんながいなくなったら、「俺の党」に改名するのかどうかです。「俺のフレンチ」みたいで、そのほうが流行るかも。

 さて、わが党本部も引っ越しを機に、いろいろ余分なものを離党処分したのですが、そのなかのひとつがSACDプレーヤー。
 そもそもSACDってなに? って人も世間には多いんです。知ってるけど1枚も持ってない人が圧倒的多数を占めるはず。
 CDよりも音が良い次世代規格というウリだったのですが、なんで普及しないのかというと、普通のCDに比べ値段が数百円から千円以上高いのと、コピー防止のためリッピングできないから。そして、再生できる機器が少ないから。
 高くてコピーできない、どちらもメーカーにとっては利点ですが、ユーザーにとってはデメリットでしかありません(現在ではリッピングはやろうと思えばできるようですが、たいていのソフトはSACDとCDの二層ハイブリッドディスクなので、CD層のデータを普通にリッピングすればいいのであって、SACDデータをリッピングする意味がない)
 じゃあ、ウリの音質はどうなのよ? 少なくとも私にとってはほとんど感じられなかったし、多くの人が同様の感想を持つでしょう。
 SACDは音がいいというか、音がきれい。上品。だからクラシックには向いてるし、実際、市販されてるソフトの大半はクラシックです。
 ジャズだと、CDでは聴こえてくる、音のかたまりがぶつかってくるような熱気が、SACDだと薄れてしまいます。きれいで上品なジャズほどつまらないものはありません。
 しかもそういった音質差も、10万円以上する高級プレーヤーで再生しないと、普通の人にはわからないと思います。私自身、10年ほど前に買った、3万円くらいでDVDもSACDもCDも再生できるパイオニアの格安ユニバーサルプレーヤーでは、明らかに普通のCDのほうが音がいいと感じました。その後買った8万円のデノンのSACDプレーヤーで、SACDのほうが若干いいかな、というくらい。お店で高いプレーヤーとアンプ・スピーカーで試聴して、ようやくちがいがわかりました。
 お金をかけないとメリットを活かせないなんて、そんなメディアは、はっきりいって失敗だと思います。
 そんなわけで、以前より安いCD専用プレーヤーに買い替えましたけど、なんの不満もありません。むしろCDをセットしたときの読み込みが早くていい(SACDプレーヤーはやや時間がかかる)
 だったらいっそ、CDはパソコンでリッピングして聴けば、CDプレーヤー自体、もう要らないんじゃないか? いずれそうなるでしょうね。パッケージメディア世代なもので、いまはまだちょっと抵抗があるけど。
[ 2013/12/09 21:48 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

原稿チェックに対するグチ

 こんにちは、駅のホームにある最新型の飲料自販機に「小粋なチョコバナナ」をおすすめされたパオロ・マッツァリーノです。
 あの自販機にはカメラが内蔵されてるらしくて、前に立った人の容姿から年齢性別などを判断して、おすすめ商品を選んでくれるそうです。
 私の外見のどの要素が、小粋なチョコバナナだったんだろう? 小粋なおじさんだと思われたのかな? 疲れてそうだから甘いものをすすめたのか? サルっぽいといわれたことはこれまで一度もないんだけど。
 結局、小粋なチョコバナナは買わず、お茶を買いました。

 さて、本日は以前から抱いていた疑問についてグチをいいたいと思います。ええ、グチなので気にしないでください。
 物書き以外の人はご存じないと思うのですが、ちかごろは原稿の校正の段階で、内容の事実関係チェックが入るんです。中小の出版社ではやらないこともありますが、大手の出版社だと、たいていこれが入ります。
 むかしは校正というと、誤字脱字や表記のゆれや文法的なまちがいだけをチェックしたのですが、ちかごろはこれにプラスして書いてある内容についてもチェックされます。校正の人がやる場合と、外注する場合があるようです。
 もちろん、こちらが気づかなかったカン違いを指摘してくれて、ありがたい場合もしばしばあります。でも私の場合、どちらかというと指摘のほうがまちがっていたり、チェック担当者がどうでもいいところに食いついてて、え、そこ? ってことが多いんです。
 そうなる原因は、内容チェックをする人が100パーセント、ネット検索の結果を根拠にしているからです。
 私は図書館などに通い、さまざまな本やむかしの新聞雑誌などに目を通した上で、それらを根拠として原稿を書いてます。たった一行の記述のために何時間も調査に費やすこともあります。それに対して、内容チェックをする人はパソコンでネット検索して出た結果だけをもとに、このサイトにはこう書いてあるのですが、みたいな指摘をしてくるんです。
 そこなんですね、釈然としないのは。ネットにある情報のほとんどは、第三者による校正も内容チェックも経ていないのですよ。実際、まちがいや真偽のアヤシイネタも数多いことは周知の事実ですが、それを正解であると仮定して、答え合わせみたいなことをされるのが、なんか腹立つ。
 そっちが提示したネット情報の真偽は確認したのか? 確認のために図書館に行ったり、サイトの作者に問い合わせたりしたのか? と逆に問いただしたくなることもよくあります。
 私も人間ですから、まちがうこともあります。つねに正しいわけじゃない。さっきもいったように、なかにはありがたい指摘もあるんですよ。だから内容チェックはしないよりはやったほうが絶対いい。やめろとはいいません。いえ、むしろこんなグチを書いたら、私が気分を害するだろうと気をつかって、だれもなにも指摘してこなくなってしまうおそれすらあるわけで、それもまた困ります。
 まちがった指摘は無視していいですよ、いちおうやってるだけだから、と編集者からはいわれます。ええまあ、そうしてますよ。そうなんですけどね。活字情報がすべて正しいわけでもない、ネットのほうが正しいこともありますし。だけどなあ……私が気にしすぎなんでしょうか。
[ 2013/12/02 22:04 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
会社苦いかしょっぱいか

みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

日本文化史

偽善のすすめ

13歳からの反社会学(文庫)

ザ・世のなか力

怒る!日本文化論

日本列島プチ改造論(文庫)

パオロ・マッツァリーノの日本史漫談

コドモダマシ(文庫)

13歳からの反社会学

続・反社会学講座(文庫)

日本列島プチ改造論

コドモダマシ

反社会学講座(文庫)

つっこみ力

反社会学の不埒な研究報告