反社会学講座ブログ

パオロ・マッツァリーノ公式ブログ
反社会学講座ブログ TOP > 2014年02月

書店視察とB級丼グルメ

 こんにちは、イタリア産のパオロ・マッツァリーノです。慎ましい生活をしておりますので、国産の~お肉~(ゼウシくんのCMソングより)、はなかなか食べられません。

 さて、最新刊『偽善のすすめ』はお読みいただけたでしょうか。読んだかたは口々に、これを中高生のときに読めたらよかったのに、とおっしゃいます。全国の学校図書館の担当者様、貴校の図書室の蔵書に『偽善のすすめ』をぜひ。
 もちろん、オトナが読んでも楽しめる充実の内容、かつ、読みやすさバツグンの本でございます。
 先週末は秋葉原の有隣堂ヨドバシアキバ店をお忍びで視察してまいりました。人文社会の棚に3冊くらい並べて面展示してありました。ありがとうございます。
 今後も都内各所の書店を、お忍びでまわりたいと思います。べつに忍ぶ必要性はないのですが。

 ああ、そういえば先日、国産じゃないけどお肉食べました。忙しいときには丼系のファストフードでちゃちゃっとメシを済ませてしまうことが多いのですが、吉野家に寄ったとき、遅ればせながら話題の牛すき鍋を食べてみました。
 吉野家は、牛丼の完成度には他の追随を許さないものがあるのですが、その他のメニューがいまいちなんですよね。以前発売した親子丼なんて、なか卯が金メダルだとしたら、吉野家のは予選落ちレベルでした。
 でも牛すきは、おいしかったです。吉野家の肉って、おいしいんですね。そりゃあ、一流店のA5ランク肉のすき焼きとは比べものにならないだろうけど、この肉がこの値段で食べられるのってしあわせなことですよ。
 それと、なか卯の衣笠丼もかなりいけます。親子丼を鶏肉でなく油揚げで作ったようなやつ。関西にはむかしからあるどんぶり物なんですか? 関東でも食えるようになってよかった。
 山椒をかけるってのがオツですね。付け合わせのちょっと酸味のある漬け物も気が利いてます。あれがあるとないとでは、大違い。
 これに牛丼の肉を足した、衣笠牛丼てのもあるんですが、こちらは味がブレちゃっていけません。衣笠丼の味と牛丼の味が互いを消し合ってしまう中途半端なメニューでした。
[ 2014/02/26 22:44 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

むかしはよかったね? 連載第4回

 こんにちは、バレンタインに人妻からチョコをもらいました。パオロ・マッツァリーノです。
 「むかしはよかったね?」絶好調連載中の『新潮45』3月号が発売中です。
 今回は、終了から約10年を記念して、長者番付について蒸し返してみました。戦後のことはネットにもけっこう情報がありますが、戦前の長者番付に関しては、ほとんど情報がないんです。で、調べてみたら、戦前と戦後とでは、長者番付が存在する目的が根本的にちがってたことがわかりました。ためになるねぇ。

 本日は御茶ノ水方面に用事がありましたので、神保町の三省堂書店にもちょっくら寄りました。そしたらなんと、1階の新刊コーナーに『偽善のすすめ』が平積みですよ。
 神保町の三省堂さんには、『反社会学講座』単行本発売の時から贔屓にしていただいてます。ありがとうございます。

 時間があったので店内をひととおり見て回りました。このところむかしの資料ばかり読んでいて、大型新刊書店に長居する機会がなかったもので、こんな本が出てたのか、とひさびさにいろいろな発見がありました。『原発ユートピア日本』という本がよかったですね。過去の新聞などに載った、原発のPR広告をまとめた本なのですが、いまとなってはブラックユーモアとしか思えない内容。イジワルな目線が愉快な好企画です。
[ 2014/02/18 18:31 ] おしらせ | TB(-) | CM(-)

波平トリビア

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。12日に池袋ジュンク堂と新宿紀伊國屋をのぞいてきました。『偽善のすすめ』は人文書フロアに平積み、面展示してありました。ありがとうございます。おそらく、全国書店で発売中ですので、みつけたら手にとってパラパラとめくってみてください。もちろん、ネット書店でも発売中ですので、よろしくお願いします。

 さて、ちょっと遅ればせながら、波平トリビア。

 原作マンガの『サザエさん』では、波平は一度も「バカモン」といってない。

 2、3年ほど前に、朝日新聞社から出てる『長谷川町子全集』で確認しました。「バカもの」は1回だけいってます。
 この調査の詳細については、拙著『怒る!日本文化論』に書いてあります。私の見落としがないとはいいきれませんので、疑り深い人、なおかつヒマな人は、ご自分で全集を確認してみてください。
 ただしサザエさんには、新聞には載ったけど単行本には収録されなかったネタが700本くらいあるそうなので、そこまで確認したら、「バカモン」がみつかるかもしれません。ヒマを持てあまして死にそうだというかたはチャレンジしてはいかが。もしもみつけたら、教えていただけるとうれしいです。
 マンガのサザエさんは世相諷刺を軸にした王道の新聞4コママンガです。同時代をスパイシーに切り取っていて、昭和ノスタルジー幻想みたいな甘ったるい感傷はありません。
 波平も別人です。マンガでは、おっちょこちょいで頼りないお父さん。この父にして、この娘(サザエ)あり、というのがよくわかります。家でも会社でも尊敬されないイジラれキャラだけど、なんか憎めない。
 大多数の父親は、そんなもんです。エラくはないけど、家族に嫌われるほどでもない、平凡な人。
 それがアニメでは、厳格で立派な父親像を演じさせられてますよね。アニメ制作者のコンプレックスがもろに出てて気持ち悪い。
 誤解してる人が多いんです。エラい父親、立派な父親、厳格な父親ならこどもから尊敬されると思ってるようだけど、それはうっとうしいから距離を置かれてるだけなんです。
 「バカモン」も「左様」もいわず、万年平社員で、しばしばカツオにからかわれてる原作の波平のほうが、リアルに人間くさくていいじゃないですか。
 父親なんてのは、ちょっとダメなくらいでちょうどいいんです。ダメだけど見栄はってることを家族には見透かされてる、くらいでね。ふだん尊敬も感謝もされなくても、葬式のときに、いいお父さんだったねと家族にいってもらえれば、それでいい。
 アニメの波平は立派すぎます。いいひとすぎます。ファンタジーなんです。あんなありえない父親像を理想だと誉め称えている人たちこそ、なんか恐いなと思ってしまいます。
 サザエさんのアニメはPTA推薦、クレヨンしんちゃんはPTA非推薦、みたいな図式が定着してますけど、長谷川町子さんがもし生きてたら、クレヨンしんちゃんのほうをきっと推薦してたでしょう。
[ 2014/02/14 19:24 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

『偽善のすすめ』もうすぐ発売です!

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。私は宇多田さんの結婚相手ではありません。ゴーストライターはやったこともないし、頼んだこともありません。片耳が難聴気味というのはウソじゃないです。
 それにしても、土曜日の雪はすごかったです。東京でも吹雪になるんだなあ、と窓から外を眺めてました。
 土曜の夜にブログを更新しようとしたらログインできなかったんですけど、雪のせいだったんですかね? 全部雪のせいだ、ってJRの駅のポスターに書いてありました。
 というわけで、いよいよ発売が2月12日に迫りました『偽善のすすめ』のおすすめでございます。
偽善のすすめ

 詳しい内容紹介は別のページにご用意してあります。上の画像、もしくは左の欄、パオロの著作の表紙画像をクリックすると内容紹介ページが開きます。表紙画像をクリックしても、アマゾンで買え、みたいなシステムにはなってませんのでご安心を。お買い求めになるときは、みなさん行きつけの書店やネット書店をご利用ください。

 今回のイラストは、しりあがり寿さんにお願いしました。これまでとはまったくちがったパオロイメージですね。ちょっと怪しげな感じで、と注文を出したら、むかしのビートルズ風オジサン? みたいなパオロになりました。表紙の他に、登場人物紹介ページにもべつのイラストがありますので、見てのお楽しみ。
 パオロイラストは何代目になるんでしょうか。初代の吉田戦車さんにはじまり、いろんなマンガ家さんやイラストレーターさんに描いてもらいまして、単行本以外の単発記事でもオリジナルイラストが使われたこともあるので、今回で9代目か10代目くらいではないかと。
 左の著作一覧でだいたい確認できますが、画像が小さいのでわかりづらいですね、すいません。新書『つっこみ力』の帯は発売当初のものなので、いま店頭にある在庫には、この帯はついてないと思います。レアものですね。
 『反社会学講座』と『日本列島プチ改造論』の単行本は、いずれも絶版で流通在庫のみなのですが、『反社会学講座』は文庫版でもまったく同じイラストを使ってます。『プチ改造論』は文庫ではちがうイラストになりましたので、もしかしたらこの単行本バージョンがいちばんのレアもの? 岡林みかんさんのイラストはけっこう気に入ってたんですけどねえ、アントニオ・バンデラス風で。
[ 2014/02/09 18:03 ] おしらせ | TB(-) | CM(-)

新刊のおしらせと、テレビ視聴者の意識改革

 こんにちは、あのね、パオロ・マッツァリーノだよ(モノマネのモノマネ)
 新刊『偽善のすすめ 10代からの倫理学講座』の追加情報です。定価は1200円(税別)と、いつもの単行本よりはお求めやすい価格になっております。発売日は以前おしらせしたように、2月12日です。
 ご期待ください。ってむかしのテレビドラマの次週予告では必ずいってませんでした? 最近あまり聞きませんね、「ご期待ください」って言葉。

 なんか、芦田愛菜ちゃんのドラマがエラい騒ぎになってるようで。私は全然見てないんで、ドラマ自体の内容や表現に関してはなにもいえません。
 今期のドラマで見てるのは『私の嫌いな探偵』だけ。玉木さん演じる探偵が、犯人を名指しして事件を解決したあと、犯人の告白を聞かずに、ぼくそういうの興味ないんで、と帰っちゃったりとか、剛力さんが「予想よりちょっとうまいダンス」をしたりと、深夜枠っぽいおふざけ具合が、ビールでも飲みながら気楽に見るのにちょうどいい感じ。
 で、笑えない内容と思われる愛菜ちゃんのドラマのほうですが、視聴者の苦情でスポンサーが降りたというのは、以前『女王の教室』でも同じことがなかったですか? あのときはそこまではいかなかったんでしたっけ? 『女王の教室』は批判をものともせず放送を続けて結果的にクロウト筋からは名作として評価されたわけですが、今回のドラマはどうなんでしょ。
 この騒動に関して、芸能人やお笑いの人たちのあいだから、あれもダメこれもダメと自主規制したらテレビがつまらなくなると悲観する声があがってますが、私はそろそろ日本の視聴者のみなさんが意識を変えるいいチャンスではないかなと思ってます。
 テレビはタダという意識から、お金を払って見るという意識への転換です。
 アメリカのケーブル有料チャンネルでは、無料の地上波では放送できないようなアブナい内容のドラマを制作・放送して、好評を博しているものもあります。バラバラ死体だらけの『デクスター』とか、化学教師が麻薬作っちゃう『ブレイキング・バッド』とか。
 『ニュースルーム』は死体が出てきたりはしませんが、ティーパーティなどの政治的保守派を実名批判してしまう内容で、べつの意味であぶない。たとえていうなら、もしもフジテレビが報道局を舞台にしたドラマを作り、劇中で安倍政権を名指しで批判したら、と想像してください。またお台場に困った人たちが押し寄せて大騒ぎをはじめちゃいますよ。
 でも、有料チャンネルならそんな内容でも放送できるんです。見たくない人は見ないでください、とつっぱねればいいんですから。日本では衛星放送がアメリカのケーブル局と同じような役割を担ってますが、まだまだ普及してるとはいいがたい。
 WOWOWで昨年末に放送した三谷幸喜さん作・演出のドラマ『大空港2013』は、ワンシーン・ワンカット、つまり舞台劇と同じように、90分間カメラを回し続けて役者たちが芝居をするというはなれわざで楽しませてくれました。これもCMのない有料チャンネルだからこそできた企画です。地上波だと途中にCMが入ってしまうから企画が成立しません。
 ドラマだけでなく、お笑いとかも有料チャンネルならかなり自由度の高いものができますよ。地上波テレビはどんどん規制をきびしくしてつまらなくなってしまえばいいんです。そうすれば、有料放送の普及に弾みがつくってもんです。
[ 2014/02/03 22:28 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

日本文化史

偽善のすすめ

13歳からの反社会学(文庫)

ザ・世のなか力

怒る!日本文化論

日本列島プチ改造論(文庫)

パオロ・マッツァリーノの日本史漫談

コドモダマシ(文庫)

13歳からの反社会学

続・反社会学講座(文庫)

日本列島プチ改造論

コドモダマシ

反社会学講座(文庫)

つっこみ力

反社会学の不埒な研究報告