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文庫新刊『誰も調べなかった日本文化史』が発売されます

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。新刊発売のおしらせ。
 ちくま文庫から『誰も調べなかった日本文化史 ――土下座・先生・牛・全裸』が発売されます。
 9月10日発売となってますが、実際に書店の店頭に並ぶのは11日以降になるかもしれませんので、ご了承を。
 3年前に出た単行本『パオロ・マッツァリーノの日本史漫談』の文庫化で、タイトルと装丁が変わりました。表紙イラストは吉田戦車さん。
 本文内容は単行本とほぼ一緒で、大きな手直しや加筆はありませんが、章の順番だけが変わってます。
 いちおう単行本との差別化としまして、文庫には文庫書き下ろしコラム「諸説あります。」と、文庫版あとがきが追加されてます。
 というわけで、お買い求め安くなって再登場の文庫版。
 土下座の歴史に興味のあるかたもないかたも、歴女のみなさんや、そうでないかたも、ひとつよろしくお願いします。
[ 2014/08/28 19:52 ] おしらせ | TB(-) | CM(-)

日本人と慈善

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。ここんところ、氷水をかぶるチャリティが流行ってて、批判的な意見も出ているようですが、ああ、やっぱりですか、日本人は変わってないなあ、との想いを強くしました。
 といいますのは、拙著『偽善のすすめ』に詳しく書いたのですが、10年くらい前の調査によると、調査対象となった世界21か国で、日本人はもっとも慈善活動を信用していないという結果が出ていたからです。
 慈善団体を信用するかという質問に対し、調査国全体の平均では「非常に信頼する」「やや信頼する」を合わせた数字が50パーセントを超えます。しかし日本人は25パーセントしかいないんです。
 しかも、「周囲の人を助けてしあわせにすることは大切だ」という価値観を支持する人の割合でも、日本人は最低でした。

 欧米人は今回の氷水かぶりとかもそうですが、慈善とかチャリティとかを気軽にやるんです。バカなことやって、一人でも二人でも救わたらそれでいいじゃん。
 日本人は慈善をクソ真面目に考え過ぎなんです。そもそも、すべての人を救うことなんてできっこない。だから、チャリティでも募金でも、気が向いたときだけやればいい。やりたくなければやらなきゃいい。
 なのに、すべての人が平等に救われなければならない、みたいなゼロか百かの誤った完璧主義に縛られてるから、中途半端なチャリティやショーアップされたチャリティが許せなくなり、あんなのは偽善だ! と攻撃せずにいられない。
 他人は他人、自分は自分なんですから、やるかやらないかは個人の自由です。やらない人を批判するのもお門違いだし、やってる人を批判するのもよけいなお世話です。

[ 2014/08/23 22:21 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

「むかしはよかったね?」連載中の『新潮45』最新号が発売中

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。
 「むかしはよかったね?」が好評連載中の『新潮45』最新号が発売されました。
 今回は季節にあわせまして、熱中症の歴史。やっぱりむかしから日本の夏は高温多湿、いまもむかしも過酷です。明治時代から小学生も人力車夫も映画俳優も、みんな熱中症でばたばた倒れてました。むかしの人がとくに暑さに強かったわけじゃないんです。
 戦前の日本軍の兵士たちが、訓練中に熱中症で大勢倒れていたという事実も詳しく掘り起こしました。ひどいときには演習中に熱中症で数百人倒れ、7人死亡、なんて事故も起きてます。それも一度じゃありません。真夏の炎天下の演習に、飲料水を用意していないという信じられない愚行を何度も繰り返し、毎年のように死者を出してました。学習能力ないのか。
 戦前から軍医たちが熱中症対策を研究してたのに、その知見やアドバイスをまるで活かしてないんです。熱中症は精神を鍛えれば克服できると思ってたらしい。
 当時の新聞も人命軽視だと軍を批判しているのですが、そういうまともな批判に対して、強がりの暴論を吐くヤツも、むかしからいます。何人か弱い兵士が死んだだけで大騒ぎするな、みたいなね。そして昭和に入ると新聞は、軍を批判する記事を載せることすら許されなくなっていくのです。
[ 2014/08/18 23:55 ] おしらせ | TB(-) | CM(-)

夏休み特別企画・二次創作にチャレンジ

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。ツイッターに
「うえーん、またジャイアンにいじめられたよう。ガンダムえもん、なんか出してよう」
「はい、ビームサーベル」
 というショートネタを書いたあと、このあとの展開をいろいろ想像してしまいました。そこで夏休み特別企画として、アニメシリーズのあらすじだけをでっちあげる二次創作にチャレンジしてみました。
 なお、私はアニメをほとんど見ないので、非常に乏しい知識と偏ったイメージしかありません。アニメファンのかたは、バカにしてるとかおっしゃらず、寛大な心でお読みください。

【第1話】ジャイアンに決闘を申し込んだのび太は、ビームサーベルを持って意気揚々と空き地へ急ぐ。しかしそこには、何者かにめった刺しにされた瀕死のジャイアンが。のび太の腕の中で息を引き取る間際に残したダイイングメッセージ「ア・バオア・クー」とは何を意味するのか。

【第2話】パトロール中の警官が異状に気づき駆け寄ると、動転したのび太はビームサーベルを振り回しながらその場を逃げ出す。のび太から事情を聞いたガンダムえもんは、いったんどこかに身を隠すことを提案する。これがいつ終わるともわからぬ逃走劇のはじまりだとは、のび太は知るよしもなかった。

【第3話】メディアは連日、少年が同級生を惨殺して逃走中であると、事件を猟奇的興味で報道する。そして校長先生は、朝礼で全校生徒に命の大切さを語る。次回は30分、1話まるごと校長先生のお話だ。途中で貧血になるなよ。

【おわび】本日放送予定だった第4話ですが、校長先生のお話だけという内容が実験的すぎるとスポンサー各社が難色を示したため、お蔵入りになりました。ご了承ください。ブルーレイBOX初回限定仕様には特典として収録されます。

【第5話】遺体安置所から突如消え失せたジャイアンの死体。すべてはのび太の仕業だと信じる妹のジャイ子は復讐に燃え、のび太のクビに巨額の賞金をかける。一方、殺害現場に専用の赤いパトカーで現れたシャア警部は不自然な現場の様子から、のび太の犯行とする見かたに疑問を抱くのだった。

【第6話】巨額の賞金に狂騒し、全銀河から襲い来る賞金稼ぎ。海底の隠れ家を急襲され苦手な水中戦を強いられるガンダムえもん(だったらなぜ海底に隠れた)。のび太の酸素が残り少なくなったとき、ガンダムえもんは、ついにおなかの四次元武器庫から、禁断の兵器「どこでもナパーム」を取り出すことを決意する。

【第7話】水中の敵も壁の向こうの敵も無慈悲に焼き尽くすどこでもナパーム。銀河悪党連盟は公式サイトで、その使用を人道的でないと非難する。おまえらがいうなとたちまち炎上。そんな混乱の隙を突き、超遠距離からの狙撃を試みる賞金稼ぎがいた。放たれた亜光速徹甲弾が、のび太の頭部に迫る。

【第8話】のび太をかばうために受けた銃弾で倫理回路を破壊されたガンダムえもんの純戦闘モードが覚醒、それは月の裏側にいた狙撃手の眉間をビームライフルで撃ち抜くすさまじさ。逃亡に疲れ、真犯人を見つけないとらちが開かないと泣くのび太。ガンダムえもんは調べたいことがあると、隠れ家にのび太をおいて出ていくのだった。

【第9話】ひとりきりの隠れ家で、ついエッチなことを考えてしまったのび太。そのエロ思念波を頭のトサカでキャッチしたスネ夫は隠れ家の正確な位置を割り出し、重火器で武装した傭兵の一団を送り込む。ガンダムえもんがいないなか、プロの戦闘集団に隠れ家を取り囲まれたのび太の運命は。

【第10話】のび太の窮地を救ったのは、しずかにうりふたつの少女ララァだった。山刀1丁だけで屈強の男どもを瞬殺したララァは、自分は魔法少女だと名乗り、ガンダムえもんを信じるなと、のび太に警告する。ララァが語りはじめたまさかの真実に、のび太は腰を抜かす。

【シーズン1・最終話】二年前の夜、窓辺に白いガンダムえもんが現れ囁いた。「ぼくと契約して魔法少女になってよ」魔法少女となったララァは約束どおり魔物を殲滅したが、契約金も賃金も未払いのままガンダムえもんは姿を消したのだった。同情するのび太。そのころ南国のリゾートビーチでくつろぐガンダムえもんに、一台の赤いパトカーが迫っていた。

 以上です。視聴率不振のため、シーズン2の制作はキャンセルされました。
[ 2014/08/17 21:48 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

ドラマを観て過ごす夏

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。キャンプやバーベキューは苦手です。蚊に食われながら焼肉食って、なにがおもしろいのか。ということで、本とテレビで過ごしてます。
 話題のドラマ『HERO』ですが、私は毎週楽しみに観ています。
 久利生は型破りな検事ということになってますが、そうですか? 型破りなのは服装だけ。仕事のやりかたはものすごくまっとうですけどね。
 法律という枠、型のなかでできるかぎりのことをして、真実を見極め、悪を追い詰める。理想的すぎるかもしれないけど、あれこそが正義のあるべき姿です。
 久利生は人間を信じてるんです。そして、人間が作った「法」というシステムも信じてる。だからその枠のなかで正々堂々、闘うことができるのでしょう。その姿勢はとても痛快です。
 体罰や暴力でものごとを解決しようとする人間は、人間も法も信じてないんです。体罰や暴力を容認する人は、それは必要なのだ、しかたないことなのだ、といいわけをするのですが、じゃあ、法の枠内でできるかぎりのことをしたのかというと、してないんですよ。なぜなら最初から人間も法も信じてないから。法の枠内で努力するのはムダだとあきらめてるから。そのうえ、本当は人間を信じてないくせに、愛だの人情だの信頼関係だのを持ち出して、自分を正当化しようとするから不愉快なんです。

 逆にすごかったのが、BSで再放送してた『木枯し紋次郎』。何がすごいって、あのドラマは、「人間は信じられないものである」というのがテーマなんですから。
 紋次郎自身、生まれたときに母親に間引き(口減らしのための子殺し)されかかかった暗い出自があって、じつの親さえも信じない人間になってるわけです。
 あっしには関わりのないことで、とクールに突き放しつつも、じつは紋次郎は何度も他人を信じて助けようとするんです。ところがその善意は必ず裏切られる。助けた娘が殺しの下手人だったり、山賊をやってる息子を改心させようとかばう老母が、じつは山賊の元締めだったり、とにかくハッピーエンドのエピソードがない。
 山賊の母の正体がわかったときに紋次郎は、やはりこの世におふくろなんてものは、いねえんでござんすね、みたいなことをつぶやきます。
 なんとも殺伐とした話ですが、人情や感動なんてものでごまかさないところが、かえっていさぎよい。ハードボイルドです。こういうのが70年代の視聴者には受け入れられてたんですね。いまだったら苦情が来そうだけど。

 あと、NHKの『ハードナッツ!』も楽しめました。数学で事件を解決するアイデアは、アメリカの『ナンバーズ』が先行してますが、私はあれ、キャラクターにまったく魅力が感じられなくて、2話くらいでやめてしまいました。
 『ハードナッツ!』のくるみちゃんは、妙なイントネーションのしゃべりやズレた行動で毎回笑わせてくれました。でもあれで彼女なりにスジは通してるんですよね。続編あるのかな?
[ 2014/08/13 10:14 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

ツイッターはじめました?

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。
 ためしにツイッターのアカウントだけ取得してみました。

 こちらです。

 一応、公式アカウントということで。でも、そんな熱心につぶやいたりしないと思います。
 新刊発売とか、雑誌掲載とかのおしらせくらいには使うかな?
 まあ、今後ぼちぼち、使いみちは考えます。 
 フォローしてくださってもけっこうですが、コメントの返事とかはあんまり期待しないでください。
 そもそもフォローだのリツイートだの、ツイッターの仕組みや仁義をよくわかってませんので。

 なお、以前にもいいましたけど、私は過去にツイッターをやってたことはありません。
 他のどんな名前でも、です。
 なりすましが出没してるって話は聞きませんが、いまだに私をどこかの大学の先生とカンちがいしてるかたがいるようなので、念を押しときます。私はまちがわれても全然かまわないけど、私への苦情などが他の人にいってしまうと迷惑かけますから。
[ 2014/08/09 18:20 ] おしらせ | TB(-) | CM(-)

○○に怒られたい

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。
 テレビ番組表を眺めてたら、『吉木りさに怒られたい』という興味深い文字が目にとびこんできたので、実際に番組を見てみました。
 タイトルにいつわりなし、ただ数分間、吉木りささんに怒られるというだけの、マゾ大喜び(なのかどうか知らんけど。マゾの知り合いはいないので)の番組でした。
 企画意図はナイスですけど、私はハマらなかったなあ。吉木さんのキャスティングはちょっとちがう気がします。いえ、吉木さんが嫌いなわけではありません。吉木さんだと顔も声もかわいすぎるんですよ。せっかく怒られるのなら、もう少し、リアルな怒られ感が欲しいところ。
 とくに声ですね。吉木さんは独特の、なんちゅうか、アニメ声? 非現実的な感じがしちゃって、怒られ感が削がれてしまうのです。だから同様に「桐谷美玲に怒られたい」も「武井咲に怒られたい」も声質のせいで怒られてる感じが出ない。「高橋真麻に怒られたい」はもってのほか。ソプラノボイスで怒られたら、笑ってしまうかもしれません。
 もう少し低めの落ち着いたトーンの声で怒られたいんですよ。加えて、ちょっと頭が良さそうな雰囲気もください。バカっぽいのはダメ。バカに怒られたくないもの。
 となるとやっぱり、「北川景子に怒られたい」。これだな。北川さんのあの顔と声と知性。ちょうどいい怒られ感を醸し出してくれるはずです。
 北川さん以外で捨てがたいのが、「吹石一恵に怒られたい」。あの正義感の強そうな雰囲気がたまらないですね。それと、ハーフ枠(どんな枠だ)で、TBSアナウンサーの「小林悠に怒られたい」もはずせないよなあ……

 暑さにやられたおっさんの妄想におつきあいいただき、ありがとうございました。
[ 2014/08/05 17:57 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
会社苦いかしょっぱいか

みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

日本文化史

偽善のすすめ

13歳からの反社会学(文庫)

ザ・世のなか力

怒る!日本文化論

日本列島プチ改造論(文庫)

パオロ・マッツァリーノの日本史漫談

コドモダマシ(文庫)

13歳からの反社会学

続・反社会学講座(文庫)

日本列島プチ改造論

コドモダマシ

反社会学講座(文庫)

つっこみ力

反社会学の不埒な研究報告