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クイズ名誉毀損!

 さあ、今日からはじまりました、『クイズ名誉毀損!』。
 こんにちは、司会はワタクシ、天地神明に誓って3年前からイタリア人の、パオロ・マッツァリーノでございます。
 さっそく問題。次のうちで、名誉毀損として訴えられる可能性があるのは、どれでしょうか?

 3年前から耳が聞こえるようになった。(佐村河内さん)
 3年前から明治天皇の玄孫になってヘラヘラしていた。(竹田さん)
 3年前から薬物中毒だった。(キヨ&飛鳥さん)
 3年前からまばたきで発電していた。(石原さん)

 視聴者のみなさんも、リモコンのdボタンでご参加ください。正解者のなかから抽選でワニ道楽のお食事券を差し上げます。
 おっと、早くも訴状が届きはじめたようですが、訴状の内容を見ていないのでコメントはいたしかねます。
 次回はスタジオをとび出して、東京地方裁判所から生中継でお送りします。また来週~!

 さて、ここからはちょっとマジメな話。
 「神に誓って」みたいな言葉が重みを持つのは、一神教の宗教を信仰する人にかぎられます。ひとりしかいない神を裏切って見捨てられたら、もう、すがる神がいなくなるんです。大変なことになるんですよ。だから自分のいうことが真実だと訴えたいときに、神に誓って、となるわけです。
 ところが日本には八百万の神がいます。「天地神明に誓って」は、すべての神に誓うという意味だそうですが、そんなたいそれたことができるわけがない。絶対無理なことを誓うようなヤツは逆に信用できません。
 そもそも、日本人の神に対する態度は「捨てる神あれば拾う神あり」ってことわざが象徴しています。日本人にとって、神を裏切ったり、神にウソついたり背いたりすることは日常茶飯事なんです。ある神さまに捨てられたって、べつの神さまに拾ってもらえることが保証されてるのだから、こんな便利な信仰システムはありません。
 だから、もしも日本人がなにかを約束するとき、天地神明だの神だのを持ち出してきたら、必ずその人に「あなたの信仰する宗教はなんですか?」とたずねるべきです。そこがあいまいなら、その人の約束や誓いもまた、あやふやなものでしかないという証拠です。
 日本人の場合、「じっちゃんの名にかけて!」のほうがまだ信用できます。じっちゃんなら生物学上は2人です。ばあちゃんが何度も結婚してたなど、家系の事情によっては義理のじっちゃんが発生する可能性はがありますが、それにしたって800万人ってことはないでしょ。
[ 2014/03/08 22:41 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

日本文化史

偽善のすすめ

13歳からの反社会学(文庫)

ザ・世のなか力

怒る!日本文化論

日本列島プチ改造論(文庫)

パオロ・マッツァリーノの日本史漫談

コドモダマシ(文庫)

13歳からの反社会学

続・反社会学講座(文庫)

日本列島プチ改造論

コドモダマシ

反社会学講座(文庫)

つっこみ力

反社会学の不埒な研究報告