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映画『小さいおうち』は必見です

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。
 映画『小さいおうち』が地上波で放送されるので、まだ観てないかたはぜひご覧になることをおすすめします。
 私がいまさらおすすめするまでもなく高評価を得ている作品ですが、先日WOWOWで観て、女中のイメージなど近現代庶民文化史をきちんと押さえてある上に、ドラマとしても秀逸なことにいたく感心しました。
 戦前・戦中の暗かったとされる時代でも、不倫をする人もいたし、カネとコネがあれば贅沢もできたんです。その当たり前の事実が忘れられてしまってます。この映画は過去の人間を美化したり漂白したりせず、清濁合わせ持つ生身の人間として描いてるのでフィクションながらリアリティがあります。
 現代の大学生が祖母の話を聞きながら過去を振り返るという構成によって、現代人が持つ戦前イメージと、現実にその時代を生きた人の意識の差を際立たせることにも成功してますし。
 現代の若者が過去を探るという同じ構成からはじまる『永遠の0』とは対照的でした。あちらは冒頭の20分くらいがほとんど現代のシーンなのですが、あまりに退屈。ウチのじいさんは、じつはエラい人だったんだ! という薄っぺらい結論があまりにミエミエで鼻についたので、そこで興味を失い、観るのをやめてしまいました。
 ま、映画の好みは人それぞれですから、両方観ていろいろ考えてみるのも一興です。
[ 2015/02/28 19:29 ] おすすめ | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

日本文化史

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13歳からの反社会学(文庫)

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コドモダマシ(文庫)

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