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今年よかったものいろいろ

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。
 今年よかったものといいましても、映画はほとんどWOWOWで劇場公開からほぼ一年遅れのタイミングで見るか、レンタルDVDをたまに利用するかなので、取りあげるのはすべて新作ではありません。

ベストオブアメリカ映画
『プリズナーズ』
 日本ではあまり評判にならなかったので、ご存じないかたも多いようですが、見逃してるならもったいない。
 幼い娘が突然姿を消してしまいます。警察は知的障害のある近所の青年を取り調べますが、証拠不十分で釈放。しかし娘を取り戻したい一心の父親は、彼が真犯人だと決めつけて拉致監禁し、凄惨な拷問で娘の居場所を吐かせようとします。
 なにが恐ろしいって、もしもヒュー・ジャックマン演じる父親と同じ立場になったら、自分も同じことをしてしまいかねないってこと。
 プリズナーズは囚人ではなく「囚われた人たち」とでも訳すべきでしょう。複数形なのがミソ。囚われるのは容疑者の青年だけではありません。他にも囚われ人が何人も現れますし、この父親もまた、狂気に囚われてしまってます。絶妙な幕切れのラストも今年のベスト。

ベストオブインド映画
『めぐり逢わせのお弁当』
 インドでは弁当を自分で持って行かず、専門の業者に家から職場まで配達してもらう習慣があるんですね。その弁当がまちがって配達されるところからはじまるおとなの恋愛ドラマ。
 偶然から知り合った者同士が関わることで思わぬ方向へ話が転がる展開といい、観客の解釈に委ねるあいまいなラストといい、まるで山田太一脚本のドラマのようでした。

ベストオブアニメ
『キルラキル』
 アニメはめったに見ません。いまどきのアニメは世界観とかをものすごく作り込んであって、マニアにはたまらないんだろうけど、私らのような一般人にとっては、いちげんさんお断りで敷居が高すぎるんです。
 でもこれは絵の雰囲気もむかし夕方にやってた再放送アニメのようで親しみが持てるし、ベタなネタやギャグを避けるどころか、ベタにドーピングしてるからわかりやすい。どこかで見た話のようでありつつも、きちんとオリジナルとして成立させているのは立派。ベタとオリジナリティは両立できるのです。

ベストオブCD
レキシ『レシキ』
 これまた今年じゃなく昨年の作品ですいません。以前のレキシの曲はディスコミュージック風であまり好みでなかったのですが、遅ればせながら聴いてびっくり、Jポップの名盤としてもっと世間に認知されるべき作品です。いわゆる捨て曲なしってやつだけど、とりあえず「キャッチミー岡っ引きさん」と「年貢for you」を聴いてみて。

ベストオブB級グルメ
かつやのマグロカツ
 この手の期間限定メニューはたいてい、一度食べてみてそれっきりなんですが、このマグロカツは何度も食べに行っちゃいました。赤身魚独特のクセがタルタルソースによっていい塩梅のまろやかさに。復活を希望します。

ベストオブネット記事
妻がナイススティックに対して真剣過ぎる
 あらゆるジャンルにマニアはいるものです。購入時の選びかたからおいしい食べかた、そしてまさかの旬の時期まで、ナイススティックにここまでこだわる人がいたとは。定番のクリーム以外の派製品はこの奥さんにとっては、ナイスじゃない「ただのスティック」だそうです。
[ 2015/12/27 18:07 ] おすすめ | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
会社苦いかしょっぱいか

みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

日本文化史

偽善のすすめ

13歳からの反社会学(文庫)

ザ・世のなか力

怒る!日本文化論

日本列島プチ改造論(文庫)

パオロ・マッツァリーノの日本史漫談

コドモダマシ(文庫)

13歳からの反社会学

続・反社会学講座(文庫)

日本列島プチ改造論

コドモダマシ

反社会学講座(文庫)

つっこみ力

反社会学の不埒な研究報告