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国会図書館の年寄り

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。
 以前から国会図書館をたびたび利用してきましたが、ちかごろ利用者に年寄りが増えたような気がします。べつに年寄りが来ても全然かまわないのですが、どういうきっかけで国会図書館を利用しようと思ったのかが不思議です。年寄り向けの雑誌やテレビ番組で取りあげられてるのかな?

 国会図書館は、病院でいうと大学病院みたいな位置づけだと、私は考えてます。たいていの病気は近所の病院や診療所で治ります。どうしても治らない病気を大学病院で診てもらうというような。
 図書館も同じで、一般の人が知りたいことのほとんどは、地域の公共図書館で調べがつきます。それでもわからないことを調べるためのプロ向け施設が、国会図書館。
 なので、国会図書館はプロ仕様。ほとんどの本が書庫にあるので検索用のパソコンを使いこなせないと話にならないのですが、ろくにパソコンも使えないようなおじいちゃんが、なぜかいきなり国会図書館に来ちゃうんですよ。

 ただ、国会図書館には案内係がたくさんいるので、パソコンに不慣れな人を手伝ってくれます。パソコンを使えないからと係の人を呼んだおじいちゃん。パソコンを使うにはパスワードを入力する必要があるので入力を求められると、おじいちゃんは大きな声で、
「パスワードは、7777にしております」
 ちょっとおじいちゃん、個人情報ダダ漏れ!
「えーと、あれ? 7がいくつだったかな? 忘れてしまった……」

 こんなのはかわいいもんですが、先日見かけた年寄りには腹が立ちました。係の人があれこれと要望を聞き、がんばって検索をしてるのに、
「なんだ、まだ調べられないのか。早くしろよ」
 えっ、信じられない。なんなの、その態度。自分ができなくて人にやってもらってるのに。思わず私がそのジジイの顔を見ると、目が合ってしまいました。するとジジイは係の人に、
「ほら、あんた声がでかいんだよ。まわりが迷惑してるじゃないか」
 ちがーう! おまえだよ、非常識なのは!
 こういうのこそが、老害というんですよ。
[ 2016/05/04 16:04 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
会社苦いかしょっぱいか

みんなの道徳解体新書

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