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週刊誌の正義

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。数か月前に別府温泉のことをグーグルで調べて以来、どのサイトを見ても、杉乃井ホテルの広告ばかりが表示されるようになりました。そのうち行くかもしれません。
 別府といえば大分県、大分のみなさんの関心事といえば、AKBのさしこさんですか。そうでもないですか。私もAKB自体にそんな関心はないし、ましてや、さしこさんでしょ(もし熱烈なファンのかたがいたら、ごめんなさい)。どうでもいいっちゃいいんだけど、芸能ニュースは嫌いじゃないもので、喫茶店においてあった週刊文春をめくり、元カレの暴露記事とやらに目を通してみました。
 読んでみたんですが……なんというか、小説の新人賞に応募してきた出来の悪い作文にしか思えないんですけどね。二人の関係性がやたら記号的で、人間味に欠けてるし。それをごまかすために、部屋割りとかシャンプーの商品名とか物質的細部のディテールに凝ってリアルさを出そうとしてるのも、創作初心者にありがちなテクニック。オタクが材料をかき集めて創作しました、というニオイがしてならないんですけど、これがいまの若者のリアルなのだ、といわれたら、40代のおっちゃんとしては、はあ、そうですか、としかいえません。
 記事によれば別れて3年くらいたつんですよね。こんなに饒舌で自己顕示欲の強い男が、いままで3年間も黙ってたことも信じられません。もしこの話が本当なら、周囲の友人とかに、オレ、AKBとむかしつきあってたんだぜ、と日頃から吹聴しまくってたと思うんです。二十歳くらいの男なら、絶対そういう武勇伝を自慢せずにいられないでしょ。
 都内の学生さんってことなので、だったらそろそろ、あいつじゃねえか、って面が割れそうなものですが、それがないとしたら、やっぱりこのネタ、かなり盛ってあるんじゃないの?

 もうひとつ、同じ号に載ってる記事で、日テレの馬場アナウンサーの横領疑惑って話も、まったく意味不明です。
 プライベートで行った旅行代金15万円の領収書を、ある実業家の男性に20万円で売ったというんです。それが立派な横領で、日テレはその件のもみ消しに奔走していると記事には書いてあるのですが、すいません、私、法科大学院とか出てないもので、どこをどう解釈したら、それが法律的に横領になるのか理解できません。法的に問題がないことをもみ消す必要があるとも思えません。
 実業家がその領収書を使って自社の経費を水増し申告したら、脱税にはなりますよね。その領収書を会社の経理に渡して、会社の経費を自分の懐に入れれば横領になるのかな? それにしたって額面15万の領収書では15万分しか落ちないのに、20万円で買ったら5万円損じゃないですか。どんだけ算数の苦手な実業家なんですか。
 要するに、金持ちのスケベオヤジが、下心丸出しでプライベートの旅行代を払ってやったってだけのことなんじゃないの。私は金持ちでもスケベでもないので、そんなことしたことありませんけど。あ、いまの発言を訂正します。金持ちではないけど、スケベの可能性はあります。

 ま、週刊誌の正義ってヤツは、この程度のものなんですね。
[ 2012/06/19 17:52 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

日本文化史

偽善のすすめ

13歳からの反社会学(文庫)

ザ・世のなか力

怒る!日本文化論

日本列島プチ改造論(文庫)

パオロ・マッツァリーノの日本史漫談

コドモダマシ(文庫)

13歳からの反社会学

続・反社会学講座(文庫)

日本列島プチ改造論

コドモダマシ

反社会学講座(文庫)

つっこみ力

反社会学の不埒な研究報告