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日本語の問題 その1

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。
 アニメ映画『百日紅』を観ました。ストーリーや人物像にはとくに惹かれるところはないのだけど、つまらなくはないです。手堅い作りで好感が持てました。
 私は北斎についてはなんの知識もないので、どこまでが史実でどこからが創作なのかわかりませんが、江戸の街並みなど、相当丹念に時代考証を重ねた様子が伝わってきます。しょぼいセットで実写時代劇を撮るよりも、アニメでやったほうがリアルにできるんじゃないかって思っちゃいました。時代劇の場合、実写とアニメ、どちらが安あがりなんだろう?

 ひとつ、言葉の問題で気になったことがありました。
 北斎の娘たちが父親を呼ぶときに「おとっさん」といってるんです。でもこれ、私は「おとっつぁん」と発音するのが正しいと考えてます。
 たしかに江戸時代の文献での表記は「おとっさん」となってるのですが、それは当時の日本語表記に「つぁ」という表記法がなかったからです。口頭での実際の発音をそのまま記せなかったから、書き文字ではしかたなく「おとっさん」としてますが、実際の江戸っ子は「おとっつぁん」と発音していたはず。
 落語の登場人物でおなじみ、長屋の住人といえば「熊」と「八」。八の愛称は「はっつぁん」ですね。「はっさん」と呼ぶ人はいません。おとっつぁんもこれと同じでしょう。
[ 2016/09/11 21:44 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
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日本人のための怒りかた講座

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