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『逃げ恥』最終回

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。いやあ、ようやく観ましたよ、録画しておいた『逃げ恥』最終回。
 芸能ニュースで、田嶋陽子さんが最終回だけ観て酷評してたと聞きました。じつは私も、田嶋さんとは理由が違うと思いますが、最終回には不満です。私は初回からずっと楽しみに観てたので、最終回も許せるレベルではあるし、このドラマ自体が今年のベスト級の作品であることはゆるがないと思います。でも、もし私も最終回だけしか観なかったら、酷評してたかもしれません。
 夫婦にはいろんなカタチがあっていいよ、というメッセージには賛同します。でも現実の人生では、数ある選択肢のなかからどれかのカタチを選ばざるをえないわけです(むろん「逃げる」も選択肢のひとつです)。どれかを選ぶことで、ドラマがはじまるんです。選ばないと悲劇も喜劇もはじまりません。
 ドラマのみくりだって、最初、契約結婚をするという選択をしたからドラマがはじまったんじゃないですか。なのに最終回では、二人の今後の選択肢をいろいろ見せるだけで、結局どの道を選んだのかがボカされたまま終わってしまうんです。もしもそれが続編の展開の自由度を広げるための保険だとしたら、ズルいやりかたです。
 せっかく最終回の前の回のラストで「これは好きの搾取です!」とプロポーズを断る波乱の展開で大笑いして終わったのに、最終回はみくりたちだけでなく、他のカップルもみんな、なんとな~くしあわせになりましたとさ、みたいに無難な締めかたをしてしまったのは、やっぱり残念ですね。
 もしも続編の二時間スペシャルみたいなのを作るなら、まさしく必要なのは田嶋さんのようなキャラですよ。ひらまさが転職した会社で彼の価値観を全否定する女上司があらわれて迷いが生じ……くらいの波乱を期待しています。
[ 2016/12/23 16:08 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
みんなの道徳解体新書

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13歳からの反社会学(文庫)

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