反社会学講座ブログ

パオロ・マッツァリーノ公式ブログ
反社会学講座ブログ TOP > 未分類 > かなりヤバい経済学

かなりヤバい経済学

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。昨今の日中の軋轢、困ったもんです。いま、いちばん悔しい思いをしてるのは、これまで日中友好に尽力してきた日本人と中国人のかたがたでしょう。心ある人が積み上げるのは時間がかかるけど、心ない人が壊すのは一瞬。
 領土や国境の問題は、下手になにかいうと、かえって揚げ足取られるみたいなことが往々にしてあるからやっかいです。たとえば、尖閣は日本が実効支配しているのだから日本の領土だ、と宣言してしまうと、じゃあ北方領土や竹島はよその国が実効支配してるから、日本のものではないと認めたのだな、と言質を取られてしまいかねません。
 そういえば、以前から経済学者のみなさんは、すべてのものごとはインセンティブ(経済的損得による誘導)で解決可能だと豪語されてましたよね。だったら、日中関係を双方ともに納得するような方向に持っていくには、どんなインセンティブを設定すればいいのか、教えていただけませんか。日頃からご自分たちの経済理論こそが正しいと主張なさってるみなさんなら、きっとなにか秘策をお持ちのことでしょう。いまこそ、世の中のために学問を役立てるべきです。
 といっても私に個人的にメールで教えてもらっても意味がないので、ぜひ、東洋経済とかエコノミストとかダイヤモンドみたいな経済誌に発表なさってください。もしそれがすぐにでも実行可能なすぐれたアイデアなら、編集部が原稿掲載を断るはずがありません。期待しています。

 ところでついでといってはなんですが、インセンティブ理論に関して個人的に興味を持ってたことがもうひとつあるんです。経済学者のみなさんは、人間の行動の裏には、必ず経済的インセンティブが存在するとおっしゃいます。だとしたら、経済学者のかたは、結婚相手をどんなインセンティブで選んでるのでしょうか。
 もしインセンティブ理論が正しいのなら、学者としての経済的地位や将来の出世にもっとも有利な条件を持つ相手と結婚しているはずです。一目惚れだとか、愛だの恋だのといったあいまいな感情で結婚相手を選ぶ経済学者など、いるわけがありません。
 日本の大学では、いまだになんだかんだいっても、教授が持つ人事権はかなり強力です。学問業績よりも、教授に好かれるかどうかで出世が決まるところがあるのは否定できません。
 ということは、大学に籍をおく経済学者にとって、自分の出世や経済的地位の獲得にもっとも有利な条件を持つ結婚相手とは、大学教授の娘です。実際、日本の大学ではむかしから普通にやってたことです。それは倫理的になにも問題ありません。
 私の興味は、インセンティブ理論を意識している経済学者と、インセンティブ理論にあまり詳しくない他分野の学者とで、結婚相手の選びかたに差があるのだろうかという点にあります。インセンティブ理論に従えば、経済学者のほうが、教授の娘を嫁にもらってる確率が高くなっていると予想できます。というか、それ以外の理由で嫁を選んでいたら、インセンティブ理論を経済学者自らが否定することになってしまいます。
 という、ヤバい経済学の仮説ですが、どなたか検証していただけませんか。このネタも明らかにすれば、経済誌は食いつくと思いますよ。おもしろい研究をする気鋭の経済学者、とかいってテレビ出演のオファーが殺到するかもしれません。それだけでも、この検証をするかなりのインセンティブになるはずです――いや待てよ、若手の学者がテレビに出ると、教授たちがやっかんで、かえって出世に響くって話も聞いたことがあります。むずかしいなあ、インセンティブの設定は。
[ 2012/09/21 21:26 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
会社苦いかしょっぱいか

みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

日本文化史

偽善のすすめ

13歳からの反社会学(文庫)

ザ・世のなか力

怒る!日本文化論

日本列島プチ改造論(文庫)

パオロ・マッツァリーノの日本史漫談

コドモダマシ(文庫)

13歳からの反社会学

続・反社会学講座(文庫)

日本列島プチ改造論

コドモダマシ

反社会学講座(文庫)

つっこみ力

反社会学の不埒な研究報告