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デザインの力

 こんにちは。モッフルメーカーを買おうかどうか1年前から迷っているパオロ・マッツァリーノです。こないだふと思い出したんです。買おうかなあと迷ってたら震災が起きて、そのあとずっと忘れてたことを。結局買ってないですけど。
 震災後1年経っても、エネルギー政策の方向性に関しては、まだ水面下で足の引っ張りあいして迷走中ってのが情けない話。
 私は、原発は時代遅れの技術だと思ってます。使用済み核燃料の処理や再利用に関して、国家の支援を受けた世界中の研究者が40年以上にわたって研究してきたのに、いまだに実用レベルに達してない。私企業の研究者だったらもう、研究部門ごとリストラされてます。自然エネルギーを批判する人たちは、なにかというと、実用化の見通しがたたない、とケチをつけますが、だったら原発技術の進歩のなさだってもっと痛烈に批判されてしかるべきです。
 自然エネルギーのなかでは、少なくとも日本では、地熱発電がもっとも現実味があるように思えます。危険性はほとんどないし、発電量もそこそこ見込めるし、事実上、燃料費は永久無料。
 なのに解せないのが、日本では地熱発電に適した場所は国立公園内だから発電所を建てられないという理屈。むしろ、人が住んでない国立公園内に建てれば、立ち退き交渉でもめることはないし、地元へ交付金ばらまく必要もない。いろんな意味でクリーンなエネルギーです。
 美観を損ねるから、というのが理由らしいのですが、だったら話は単純です。地熱発電所のデザインコンペをやればいい。自然の中に建っていても美観を損ねない、自然と共存できる発電所のデザイン案を、世界中の建築家、建築デザイナーに考えてもらえばいいんです。環境と技術の融和は世界的な関心事ですから、大々的に告知すれば、世界中から応募が殺到しますよ。
 だいたい、自然の中に人工的な建築物を建てることが美観を破壊するというのなら、宮島の厳島神社なんかどうなんですか。自然の海岸に、真っ赤っかで派手派手な人工建造物がドカンと鎮座しています。不自然極まりない。しかも厳島神社は国立公園内にあるんですよ。だけど、自然の美観を損ねてるから取り壊せってだれもいいませんよね。
 神社だから特別許されるの? じゃあいっそのこと、神社の社殿のカタチをした地熱発電所にしちゃいましょうか。クールジャパンです。外国人観光客が押し寄せます。お土産用に地熱まんじゅうを売ります。
 まあ、こんなのはネタレベルのアイデアにすぎませんが、マジメな話、私はデザインの力でこの問題は解決可能だと信じてます。
[ 2012/03/14 09:13 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
会社苦いかしょっぱいか

みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

日本文化史

偽善のすすめ

13歳からの反社会学(文庫)

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日本列島プチ改造論(文庫)

パオロ・マッツァリーノの日本史漫談

コドモダマシ(文庫)

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反社会学の不埒な研究報告