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「むかしはよかったね?」連載スタートです

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。今期のテレビドラマ、私のイチオシは『変身インタビュアーの憂鬱』です。ひさびさに三木聡ワールド炸裂。くっだらねえ~とかいいながら毎週見ています。三木さんの作品はハマると最高、すべるとだだすべり。90年代、三木さんが作・演出を担当してたころのシティボーイズのコントライブは、神がかり的におもしろかったのを思い出します。

 さてさて、私からのおしらせ。『新潮45』12月号から、連載がはじまりました。連載タイトルは「むかしはよかったね?」。
 昭和以前のむかしの日本はよかった、むかしの日本人は素晴らしい人ばかりだった、いまの日本と日本人はダメだ、いう言説にかたっぱしからメスを入れて検証してやろう、ウソにまみれた日本庶民文化史を正しい方向に導こう、きれいごとだらけに捏造された日本庶民文化史を正しく書き直そうというね、まあ、私のライフワークともいえるテーマです。
 で、届いた掲載誌を見たら、なんとも間の悪いことに、昭和礼賛特集が組まれてました。すっごいアウェー感。私以外の書き手で昭和イメージに疑問を投げかける記事を書いてるのは小田嶋隆さんくらい?
 連載第1回は季節感あふれる「ありがた迷惑、火の用心」。いまや市民の善意の象徴ともなっている火の用心の夜回り。それを批判してしまうというタブーにチャレンジ。
 火の用心の夜回りの拍子木がうるさい、町内会の当番でやらされるのは不愉快、あんなもんは無意味でなんの効果もない。ためしにこういったワードをネットで検索してみてください。こんな意見をいう人たちが、善意に刃向かう異端者・異常者として、いかに激しいバッシングにあっているかがおわかりになって驚くかもしれません。
 でもじつは、明治時代から火の用心は迷惑がられてたし、なんと昭和に入っても、警察が禁止令を出したこともあったなんて意外な歴史的事実をあきらかにしています。もちろん、いつものように、私は史料をもとに根拠のある事実だけを語っております。
 それにしても、前から不思議だったんですよ。「正義をかかげるようなヤツは信じるな」みたいなことを、文化人のみなさんはよくお書きになるじゃないですか。火の用心だの、最近流行りの防犯パトロールなんてのは、それこそ臆面もなく正義を前面に掲げてる活動なんだから、あんなもの信用するな、あんなことやってるのは偽善者だ、と批判されるべき対象のはずなのに、なぜか批判されません。
 若者の歩きスマホを批判するご年輩のみなさんが、二宮金次郎はなぜか批判しないのと同じ仕組みかな。
[ 2013/11/17 20:54 ] おしらせ | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
会社苦いかしょっぱいか

みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

日本文化史

偽善のすすめ

13歳からの反社会学(文庫)

ザ・世のなか力

怒る!日本文化論

日本列島プチ改造論(文庫)

パオロ・マッツァリーノの日本史漫談

コドモダマシ(文庫)

13歳からの反社会学

続・反社会学講座(文庫)

日本列島プチ改造論

コドモダマシ

反社会学講座(文庫)

つっこみ力

反社会学の不埒な研究報告