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漫談・下町のドンファン

 こんにちは、下町のドンファンです。足立・葛飾・江戸川区あたりの商店街やスナックでがんばっていきたいな、と思いますけども。

 さっそくのダメ出しなんだけど、ドンファン、人生の先輩として、ジャニーズのメンバーに忠告しておきたい。女遊びをしてもいい。だけど、遊ぶ相手はオトナにしろよ、ってね。
 よし、ドンファンいいこといった。テンションマックスだから、今夜はショーンKの復帰パーティだっ!
 ウソです。いや、ウソはいかんよねえ、ショーン。

 で、あちらのドンファンの事件だけど、仮に殺人だとしたら、あまりにわかりやすすぎません? あんなすぐにバレるような殺しかたする? 犬を殺して次はおまえだぞ、って、まるでマフィアの脅しかたじゃん。コワぁ。
 殺人だとして、犯人は2時間サスペンスも名探偵コナンも観たことないのかね。計画殺人ならもうちょっと工夫しそうなもんだけど。学習能力ないのか。まあ、スナックの常連の2サスファンの推理では、意外性を狙って犯人はデヴィ夫人だろうってことだったけど。シロウトの推理ほどあてにならないものはないね。

 学習能力がないといえば、スポーツをやると人格が磨かれるとか、スポーツをやると人間性が高まるとかいってる人たち。
 アメフトの件ばかりじゃない、相撲、レスリング、ああいう一連のゴタゴタを見ればわかりそうなもんだ。スポーツをやってる人間にも指導者にも、クソみたいなヤツはたくさんいるんだよ。クソ人間がスポーツをやったからって、人間性は変わらないの。クソ人間がスポーツをやっても、スポーツが得意なクソ人間になるだけ。

 あちらのドンファンならきっと、女遊びが男を磨く、とかいうよ。スポーツをやれば人格を磨けるってのも一緒。なんの根拠もない俗説だし、スポーツやらない人への差別・偏見だよね。
 じゃあさ、生まれつきからだが不自由でスポーツができないひとは、みんな一生クソ人間のままだってことになっちゃうじゃん。女房こどもがいるのに、浮気相手と旅行に行きまくってたりするような……あれ? なんかそんなひとがいたような……?
 気のせいかな。とにかく、スポーツ経験と人間性にはなんの関連もないってことに、いいかげん気づけよ、って話。

 ドンファンも最近気づいた。女優とつきあうにはIT社長をめざさなきゃいけないのかと思ってたけど、いまから社長になるのはムリだなあ。大変だなあ。IT係長くらいじゃダメ? ダメかぁ。じゃあ、また!
[ 2018/06/11 09:46 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

言葉の時代考証

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。秋・冬と豊作だったテレビの連ドラでしたが、この春、ちゃんと録画して観てるのは『シグナル』だけ。『崖っぷちホテル』と『家政夫のミタゾノ』は放送時間に観られるときだけ観てます。気軽に愉しんで、ちょっといい気分で寝られるという深夜枠ドラマの役割をきっちり果たしている良作なので、やっぱり放送時間に観るのがいいのかな、と。

 朝ドラの『半分、青い。』は、おもしろくなってきました。朝ドラってやっぱり、現代物のほうがいいんじゃないの? 戦前の話だと現代人にとってはもう異世界のファンタジーなんですよ。作り物臭がぷんぷんにおってきて共感しにくい。
 ひとつ引っかかったのは言葉の問題。こども時代の回で、「マジ」「ビミョー」ってセリフが聞こえてきたのにはビックリしました。その時代にはまだどちらもほとんど使われてなかったはずです。
 マジは80年代後半くらいから、ビミョーはもっとずっとあとでしょう。てなことをいうと、マジは江戸時代からあったんだぜー、と知識をひけらかす雑学マニアが出没しそうですが、それは言葉として存在したというだけで、庶民の日常会話には使われてなかったと思いますよ。

 夕方には『カーネーション』の再放送をやってるんですね。いま、相撲で中断してますけど。たまたま観た日の回で、主人公が仕事仲間に「お疲れさんです」っていってました。
 これもまちがいです。お疲れさまはもともと芸能界だけで使われていたあいさつで、一般人が使うようになったのは80年代から。
 78年の朝ドラ『おていちゃん』の台本にお疲れさまというセリフがあったのですが、これは芸能界で仕事をしている脚本家が、つい書いてしまったのでしょう。でもこのときは、たまたまリハーサル現場にいたNHKのアナウンサーが気づき、大正時代にお疲れさまというあいさつはなかった、とディレクターに教えてセリフが修正されたというエピソードが残ってます。『カーネーション』のときは、もうお疲れさまが日常語になりすぎていて、だれも気づかなかったんですね。

 まあ、言葉の時代考証はむずかしいところです。時代劇で、本当にその時代の言葉でしゃべられたら、たぶん現代人には理解できないし。セリフが現代語に吹き替えられてる、と思うことにしましょうか。
[ 2018/05/24 20:52 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

将来なにになりたいですか?

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。こどものころ、「将来なにになりたいですか」と質問されたり、作文を書かされたりするたびに困ってました。私は、なんにもなりたくなかったからです。

 たとえば現在、不動産屋で働いてるひとたちは、こどものころから土地建物が大好きで、将来は不動産屋で働きたいです、と作文に書いてたの? たぶん、そんなひとほとんどいませんよね。たまたま仕事を探していたとき、不動産屋の求人があって、たまたま応募したら採用された、って感じじゃないですか。
 特殊な資格を必要としない業界なら、だいたいの仕事はそんなもんです。たまたま就職して、その仕事が向いてればプロになれる。向いてなくたって、続けていればいつのまにかプロになってたりする。
 こどもに将来なりたい職業なんて聞くことに意味があるんでしょうかね。幼いころから将来の目標を明確に設定し、それに向けて研鑽・努力に励まねばなりませぬ、みたいな悲壮感あふれる指導をする必要はないんじゃないの。
 こどものころから始めなければならない職業は、子役とスポーツくらいでしょ。子役はオトナになってから始めるわけにいきません。スポーツは非情な世界です。どれだけ経験と実績を積み重ねた名選手でも、年とると必ず若い才能に負けて引導を渡されます。逆にいうと、10代で芽が出なければプロになるのはまず不可能です。
 むかしは音楽も3歳からやらなきゃダメとかいってましたけど、必ずしもそうじゃなさそうです。中学生くらいで楽器をはじめて、プロのミュージシャンになってるひともいますから。

 現実には、こどもの頃なりたかったものになれたひとのほうが少数派なんじゃないですか。たいていのひとは、オトナになってから仕事を探し、たまたま就職してますが、べつにそれが不幸な人生ってわけじゃありません。むしろあまりに目標を絞っていると、挫折したときに軌道修正ができなくなるかもしれません。

 いま私は肩書きもなく、どこの組織や会社にも所属せず、何者でもなく、なんの保証もなく、たまたまもの書きをやって細々と暮らしてます。こどものころには、将来こうなっているなんてまったく想像もしませんでした。
 自分の本が思ったほど売れないのは不満ではあるけれど、高級なものを食べたいとか、高価なものを所有したいって欲求がほとんどないので、いまの状態をさほど不幸だとは思ってません。なにより、こどものころから大嫌いだったイバってるオトナのケツをなめずに生きていけてるのは、ありがたいことだと。ある意味、なんにもなりたくなかったこどものころの夢を叶えたのかもしれません。
[ 2018/05/05 21:13 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

今日は何の日。戦時中の火事場泥棒多発が報じられた日

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。
 今日は何の日(4月22日)。戦争末期の1945年4月22日付読売新聞で、火事場泥棒が多発していることが報じられた日。
 空襲でみんなが防空壕へ避難していたり、火災の消火活動をしている隙に、家に置いてある食料や燃料などが盗まれる事件がこの時期、東京では頻発していたのです。
 22日の記事では宮内省侍医の西川氏が、空襲の避難中に自宅と近隣の家が盗難被害に遭ったことを怒りを込めて語ってます。腹いせに「戦災者の所有物を盗るものは日本人にあらず」と貼り紙をしたそうですが、翌23日の記事で、西川氏がたまたま不運だったわけじゃなかったのだとわかります。直近10日間に警視庁に報告されたものだけでも、都内各所の火事場泥棒はほぼ毎日のように起きてます。
 まあ、べつに驚きはしません。明治時代から災害時には火事場泥棒がつきものでしたし、義援金サギや義援金着服の例も必ずといっていいほど報道されてます。いつの時代にも、困ってる他人に手を差し伸べるひとがいる一方で、ひとの弱みにつけこむ悪いヤツもいるんです。なので、戦時中にもないわけがなく、むしろこれまで戦争映画やドラマの空襲シーンに火事場泥棒があまり登場してないのが不思議なくらい。
 23日の記事でも「これが果して日本人の仕業であろうか」と嘆いてますが、犯罪をすべて外国人の仕業にしたがるみなさんには残念なお知らせです。6月3日付の記事。犯行現場を押さえられた男が電柱に縛り付けられ、「戦災地で窃盗を働いたる人非人なり、みせしめのためさらしものにす」と貼り紙をされているのを目撃した記者によると、この男は正真正銘の日本人であった、とのこと。仮に朝鮮人などが犯行に及んで捕まってたら、不逞鮮人に注意、みたいに書き立てられたはずですが、そんな記事は見当たりませんし、取り締まりの強化を約束した東京地方検事局非常検察隊司令も、外国人の仕業をほのめかす発言はしてませんから、やはりほとんどが日本人の犯行だったのでしょう。
 4月28日付の朝日新聞では、鉄道の不正乗車などの違法行為が目立って増えたことを伝えています。でも私はこのとき火事場泥棒や不正乗車をしてた連中を責める気にはなれません。犯罪の急激な増加は、度重なる空襲と窮乏生活に耐えかねて、日本人のこころが荒みきっていたことを示すなによりの証拠です。責められるべきは、食うや食わずの状態に国民を追い込んでもなお、戦争を続行していた指導者層の見識のなさです。
 歴史にタラレバを持ち込んでもしかたのないことですが、もしもこの4月の時点で、国民の疲弊が限界を迎えていることを認めて戦争をやめていたら、どれだけのいのちが失われずに済んだだろうと考えずにはいられません。
[ 2018/04/22 13:50 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

半分、不便。

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。NHKの朝ドラは、朝から出掛ける予定のない日にテレビをつけっぱなしにしてるとなんとなく観てしまう、って感じです。今朝たまたま『半分、青い。』を観てましたら、ヒロインがこども時代に片耳の聴力を失ってしまいまして、それによってどんな影響が出るかを、医者が両親に説明するシーンがありました。
 私も突発性難聴で片耳が聞こえなくなってしまった当事者なので、ドラマの医者の説明を、そうそう、そうなんだよね、とうなずきながら聞いてました。
 片耳しか聞こえないことの不便さは、意外と世間のみなさんには理解されてません。以前にも当ブログで「あまり知られていない難聴の症状」という記事を書いたのですが、あらためて補足しておきましょう。

 まずは、音の方向性がわからない不便。どこで音が鳴ってるのかがわからない。
 たとえば道を歩いていて、クルマの走行音が次第に大きく聞こえると、近づいてくるな、というところまではわかります。でも、どっちから来るのかがわからない。うしろからなのか、曲がり角の右からなのか左からなのか、目視で確認できるまで、本当にわからないんです。とっさの対処ができないぶん、ちょっと危険ですね。
 だれかに呼ばれたとしても、呼んだ人がどこにいるかわからず、うろうろ見回してしまいます。これ、病院とかで困るときがあります。診察室から呼ばれたと思ったら、受付のひとから呼ばれてたり。
 あと、コンビニとかのレジが数台並んでるときにありがちなこと。下向いて財布からお金を取りだしてるときに「ポイントカードはお持ちですか」みたいなことを聞かれたから「いいえ」と答えたけど、それが自分の接客をしてるひとでなく、となりのレジ係の声だったりとか。逆に、目の前のレジ係が小さい声だと、となりのレジの声だと思ってシカトしちゃったりします。

 カクテルパーティー効果って知ってますか。パーティー会場のようなざわついた場所でも、目の前の相手の声だけに集中して会話ができる能力のことで、みなさんそれを当たり前にできると思ってるでしょ。私もそうでした。片耳しか聞こえなくなってはじめて、それができなくなることに気づきました。
 片耳だけだと、すべての音が同等に聞こえ、選択できません。だから私も騒がしい飲食店で会食したり打ち合わせしたりするのが非常に苦手です。周囲の騒音で、目の前のひとの話がよく聞こえない。何度も聞き返してしまいます。そのうちめんどくさくなって、適当に受け流すようになります。きっと、なんか横柄なひとだなと思われてるのでしょうね。

 それと、音楽がすべてモノラルになります。純粋な音の良し悪しはわかりますが、ステレオ演奏による音の広がりとか定位とかは感じられません。ヘッドホンは片チャンネルしか聞こえないから音がヘンになります。サラウンドなんてまったく無意味。私は趣味で音楽を聴くだけなので慣れましたけど、ミュージシャンにとってはつらいことかもしれません。

 朝ドラでは母親が、なんであの子がこんな不幸な目に遭うんですか……と涙を浮かべて嘆いてましたけど、それはちょっとおおげさです。他の障害に比べたら、そこまで深刻ではないと思います(耳鳴りがはげしくて苦しんでるかたはべつとして)
 ただまあ、生活していく上で不便なことが多々あるのは事実です。
[ 2018/04/12 21:30 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
世間を渡る読書術

会社苦いかしょっぱいか

みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

日本文化史

偽善のすすめ

13歳からの反社会学(文庫)

ザ・世のなか力

怒る!日本文化論

日本列島プチ改造論(文庫)

パオロ・マッツァリーノの日本史漫談

コドモダマシ(文庫)

13歳からの反社会学

続・反社会学講座(文庫)

日本列島プチ改造論

コドモダマシ

反社会学講座(文庫)

つっこみ力

反社会学の不埒な研究報告