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パオロ・マッツァリーノ自選ベストブログ記事 2012-2013

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです――の書き出しでブログをはじめたのが2012年。それ以前のホームページでも2005年くらいからブログめいたことはやってましたので、ネットで文筆活動をしてる者のなかでは、けっこう古株なのかもしれません。
 当ブログの記事も340本と、かなりの分量になりました。最近私のことを知ってブログを訪れたみなさんが、さかのぼって全部読むのは大変です。そこで、2012年から2017年までの自選ベスト記事をまとめてみました。
 いまでも通用するテーマを中心にチョイスしましたが、なかにはコントみたいなのも混じってます。私は日本文化史研究家のほかに、戯作者(げさくしゃ)という肩書きを使ってまして、『偽善のトリセツ』など、コントや落語みたいな文体の著書もあります。それも私の作風の一環なので。

パオロ・マッツァリーノ自選ベストブログ記事
2012~2013年

※記事中の他サイトへのリンクが切れていることがあります。ご了承ください。


ホットコーヒー裁判の真相

デザインの力

とんきんずじゃないよ

温泉枯渇ミステリー

都市伝説の男

気候と塩味の強さに因果関係はあるのか?

ネット言論のエセヒューマニズム

イタリアン大学白熱教室

安倍さんにクリスマスプレゼント

原発と読売

犯罪者に優しい防犯パトロール

占い師と防犯アドバイザー

歩こう歩こう泥棒は元気

治安は悪化していないという証拠
[ 2019/10/27 19:54 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

『東京ブラックホールⅡ』は必見の秀作

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。台風被害を受けたかたは、テレビどころじゃないかもしれませんが、日曜日にNHKで放送された『東京ブラックホールⅡ』が見逃すには惜しい秀作だったので。
 で、それが本日、15日火曜日の深夜に再放送されるようなので、間に合うなら、録画だけでもしておくことをおすすめします。
 山田孝之さんが前回の東京オリンピックが開催された1964年にタイムスリップするドラマ仕立てのドキュメンタリーで、当時のフィルムに山田さんを合成する、『カメレオンマン』や『フォレストガンプ』のような手法を使ってます。
 いまではタブー視されがちな、高度成長期日本のブラックすぎる真の姿を暴き出してます。昔はよかった病患者は、過去の日本人の恥を見せるな! と激怒するかもしれません。しかし、現代史の美化・捏造を防ぐためにも、小中高校の歴史の授業で見せるべきです。

 スモッグがひどすぎて、工場近くの小学生がみんなマスクをしている。
 出稼ぎの工事現場労働者が大ケガをしても補償はない。
 交通事故死亡率は世界一。
 うんこは汲み取って、東京湾の沖に捨てていた。
 貧乏人は血を売って生活していたが、それによって肝炎が広まってしまった。
 オリンピックの4か月前の世論調査で、オリンピックにとても関心があると答えたのは2.2%。
 海外からの観光客に配慮して、物乞いをしている傷痍軍人を町から追い出した。
 女子バレーはもともと種目になかったのに、日本が強いから開催国権限でムリヤリ加えた。結果的に金メダルを獲ったが、参加国はたったの6か国だった。

 などなど、いまの若者たちは知らないことばかりでしょう。私くらいの世代だとぎりぎり知ってるネタですが、あらためて記録映像で確認できたことに価値があります。
[ 2019/10/15 19:53 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

豊作だった夏ドラマ評

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。夏ドラマは久々に豊作だったんじゃないでしょうか。期待外れだったのは『Heaven?』くらいなもので。だけどあれは石原さとみさんのせいではないです。脚本も演出も、原作マンガの独特な笑いの間(ま)を読み違えてたのが敗因。だからギャグがことごとく空回りしてまして、いたたまれずに私は2話でやめました。
 『ボイス』がよかったのは初回だけで、完全に尻つぼみ。『あな番』もそうだったみたいだけど、ミステリドラマで快楽殺人鬼はもう使用禁止にしてほしい。ミステリってのは、犯罪の動機と方法を解明するところにおもしろさがあるのに、快楽殺人には動機が不要だから、それだけでおもしろさ半減。殺したいから殺しました、でいいのなら、なんでもありじゃん。物語の作りがものすごく安易になるんです。

 今期のベスト作品をドラマファンが選べば、おそらく満場一致で『凪のお暇』じゃないですか。今期どころか、年間ベストの目もあるかな? 1話より2話、3話とおもしろくなり、ずーっとそのレベルをキープしてましたからね。最終回だけ、ばたばたっとまとめてしまったのが残念ですが、これは原作が未完らしいので、しかたがないところか。
 最初は、人生リセットしたら周りがいいひとばかりだった、みたいなぬるい話かと思ってたら、けっこう人間と社会の闇の面もめくってみせて、純文学的な香りも漂ってました。前からいってるけど、黒木華さんは現代劇でも抜群なんだってわかったでしょ? といいつつ、『みをつくし料理帖』の続編を待ち焦がれてますけども。

 はじまる前の期待度が低かったのに大化けしたのが『ルパンの娘』。序盤の徹底したバカバカしさも特筆ものだったけど、それに慣らされたせいで、中盤からのありえない純愛物語をすんなり受け入れてしまうんですよねえ。してやられました。かといってマジメに流れることもなく、わけあり役者を投入したりとか、おふざけと笑いの本線からは最後までブレなかったことに拍手。

 もう一本、まったく注目されなかった秀作が、『これは経費で落ちません!』。殺人などは起きないけど、会社内で起きる謎や不正を経理の力で解き明かすという点で、これは広義のミステリです。探偵役ともいえるヒロインの経理部員は、謎をほっとけない性分。でも犯人を捜して詰め腹を切らせるのが目的ではなく、不正の正体をあきらかにすることで、みんなにとって最良の着地点を模索しようとする姿勢が、かっこいいんです。
 NHKのドラマでいつも感心するのは、キャスティングの良さね。民放みたいに視聴率のために芝居が下手な人気者をかき集めるのでなく、役ありきで、ハマるひとをあててくるんです。主演の多部さんはもちろん、恋人役のジャニーズの若手も好演。いつも地味な役柄が多い江口のりこさんが、ぐいぐい前に出る役をやってたのも楽しかったし、憎まれ役のベッキーさんとか、調子のいい東京03の角田さんとか、みんな上手くて、会社にこういうひといそうだよね、って納得しちゃう出来。
[ 2019/10/08 09:50 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

バンクシー作品の真贋

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。覆面アーティストとして有名なバンクシーさんの絵が高値で落札されたとニュースで報じられました。そういえば、東京都にある防潮扉にも、バンクシーさんの作品らしきネズミの絵が描かれてたと話題になりましたよね。
 小池都知事は大はしゃぎで、作品が描かれた部分を外して保存するよう命じ、ゴールデンウイークには都庁で展示・公開までされたんです。
 でもあの東京のネズミの絵は、ほぼ間違いなくニセモノですね。だれかがバンクシーさんの作品を転写しただけでしょう。
 私がそう推論したのには、もちろん理由があります。

 理由その1。盗まれなかったから。
 バンクシーさんの作品には高額の値がつくことは、美術の専門家じゃない私でも知ってるのだから、プロの窃盗団にとっては常識でしょう。実際、パリの美術館の駐車場の案内板かなんかに書かれた作品は、盗難対策がなされていたにもかかわらず、早々に盗まれました。
 東京の防潮扉の絵は、10年くらい前からあったことが知られてたそうです。いまどき、金になるとわかれば蛇口でもエアコンの室外機でも盗まれるんですよ。あの絵が本物だったら、とっくのむかしに盗まれてたはずです。

 理由その2。作品にテーマもメッセージ性もないから。
 作品を見れば容易にわかりますが、政治風刺や社会風刺を前面に出すのがバンクシーさんの作風です。そのメッセージは、反権力、反権威、反戦、平和主義といった、かなりリベラルなものばかりです。あえて、ストリートアート(落書き)という違法な手段を用いてるのも、反権力の立場を明確にするためでしょう。
 なので、もしも本当にバンクシーさんが日本で作品を残すとしたら、日本の保守層が不快感をおぼえるような作品になるはずです。あの防潮扉のネズミの絵に、なんのメッセージがありますか? なにもないですね。なんのメッセージもテーマも皮肉も諷刺もない、単なるかわいいイラストを、バンクシーさんがわざわざ日本に描きにくるわけがありません。

 私はバンクシーさんのファンですから、ぜひ日本に作品を描きに来てもらいたい。いまだったらきっと、日韓のいがみあいを風刺するような作品になるんじゃないですか。もしそんな作品が描かれたら、「そんな落書きを公金・税金を使って保存するな! すぐに消せ!」みたいな抗議の声が殺到するかもね。
[ 2019/10/04 19:25 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
偽善のトリセツ

歴史の「普通」ってなんですか?

世間を渡る読書術

会社苦いかしょっぱいか

みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

日本文化史

偽善のすすめ

13歳からの反社会学(文庫)

ザ・世のなか力

怒る!日本文化論

日本列島プチ改造論(文庫)

パオロ・マッツァリーノの日本史漫談

コドモダマシ(文庫)

13歳からの反社会学

続・反社会学講座(文庫)

日本列島プチ改造論

コドモダマシ

反社会学講座(文庫)

つっこみ力

反社会学の不埒な研究報告