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パオロ・マッツァリーノ公式ブログ
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マスクって、あんなに大きい必要あるの?

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。今日の昼間、マスクして駅前まで買いものついでに歩いてみたのですが、いまの時期だともうマスクしてるところが蒸れて暑くなります。これまでこの時期にマスクしたことなかったんで、マスクが暑いものだという単純な事実に気づきませんでした。
 ていうか、マスクって、こんなに大きい必要あるの? いままでなんの疑問も持たずに使ってたけど、アゴまで覆わなきゃいけないもんなの?
 ユニクロの社長さんが、エアリズムみたいな生地を使って夏でも涼しいマスクを作るといってましたけど、いや、暑いのは生地だけでなく、布面積にも原因があるんじゃないかと。
 いまマスク着用が推奨されてるのは、飛沫感染の防止が目的です。もともと市販のマスクではウイルス自体は防げません。ウイルスはマスクを通過しちゃいます。飛沫さえ防げればいいから、不織布でなくて、手作りの布製のでもかまわないとされるわけです。
 だったら布の部分は、鼻と口を最低限覆えるくらいの大きさがあればじゅうぶんなはずですよね。小さいと揶揄されたアベノマスクでも、まだデカすぎる。もっと小さくていい。
 子ども用とかなら売ってるよ、とおっしゃるかもしれませんが、それだと全体的に小さいから、耳に掛けられません。耳ひもの長さは従来のオトナ用と同じで、布面積だけ小さいマスク、誰か試作してみませんか。夏用としてけっこう売れるかもよ。
[ 2020/05/26 20:10 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

情報がなさすぎる

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。自粛警察とかデマ流すヤツとかを批判したい気持ちはやまやまでしょうが、ああいうのが出てくるのも無理はないんです。なぜなら、感染の経緯に関する正しい情報が何も公表されてないから。
 感染に関する情報で公表されてるのは県ごとの人数だけじゃないですか。それしか判断材料がないから、県ごとの感染者数を競って一喜一憂するようなバカらしいことになるし、あげくには、うちの県にウイルスを持ち込むな! と県外ナンバーのクルマを破壊するような蛮行に発展するんです。
 正しい情報がない場合、ひとは勝手に正誤や善悪を判断してしまいます。自分の狭い経験と知識だけから導いた偏見を、正解とカン違いしてしまいがち。
 私だけでなく、たぶん多くのみなさんが知りたいのは、感染の経緯なんですよ。人数ではなくて。これだけ多くの症例が出たんですから、どういう状況で感染したのかという情報が、患者の聞き取り調査からある程度わかってるはず。それなのに、厚労省とかから、情報がまったく出てこない。

 一番危惧されてたのは通勤電車での集団感染です。とりわけ日本は通勤時間が長いことで有名な国ですから、密閉空間である電車に小一時間乗らなきゃいけないひともざらにいます。そりゃコワいでしょう。
 でも結局、電車での集団感染が起きたという話はありませんでした。だからといって、材料もなしに電車は安全だ、とはいえません。だから私は、感染者のなかで通勤電車を利用してたひとがどれだけいたのか、電車での感染が疑われた例はどれだけあったのか、あったとして、乗車時間との関連はあったのか、そういうデータを知りたいんです。
 電車での集団感染が起きなかったのはなぜなのか、マスクとか窓開けとか、どの対策が有効だったのか、そのへんを科学的に解明しないかぎり、次の対策につながりません。効果がある対策とない対策を見極めないと、精神論やおまじないばかりが横行し、科学を押しのけてしまいます。

 効果がない対策の代表例が、防災無線による外出自粛の呼びかけです。いまどき、テレビもラジオもネットもなく、防災無線だけで情報を得てるひとなんてどこにいるんですか。
 毎日何度も防災無線で、不要不急の外出を避けましょう、って繰り返してるけど、まともなひとなら一度聞けばわかるのだから無意味です。まともじゃないひとは何度聞いても従わないのだから無意味です。
 不要不急の外出を避けましょう、と防災無線が鳴り響く下で、パチンコ屋の開店待ちの行列ができてる光景が、その無意味さを物語っています。

 パチンコも電車と同様に、密閉空間に多くのひとが長時間滞留するのだから、危険度が高いと思われてました。ですから論理的な可能性を危惧して休業要請をしたのは、必ずしも間違いではありません。
 でも、パチンコ屋に並んでるひとを批判したとして、「パチンコ屋で集団感染は起きてねえじゃねえか」と反論されたら、あなたは再反論できますか? できないでしょ。それは反論に必要な情報、材料がないからです。なぜパチンコ屋で集団感染が起きなかったのか、そこにはなんらかの科学的理由があるはずなんだから解明しなきゃいけません。
 ネットカフェもです。あれも危険そうだからと自粛要請が出たけど、営業を続けるところもあって、一部で批判もされてました。でも集団感染は起きませんでした。あれこそ、その理由をきちんと解明すれば、今後、自然災害と感染症流行が重なった場合の、避難所での安全な宿泊対策につながるはずです。
 一方で、スポーツジムのように、健康イメージをウリにしていて、これまでノーマークだった施設で集団感染が出たのが意外でした。やはりイメージだけでリスクを判定してはいけないんです。

 前から何度もいってるように、安全は科学なんです。気持ちやおまじないで安全にすることはできません。どの対策がどれだけ有効なのかを科学的に検証し、何をどう自粛するのがもっとも効果的なのか、その根拠と方法をあきらかにしなければいけません。
 人間は理由もなく強制されることに耐えられないんです。ただただガマンしろ、みたいな精神論的自粛勧告は長続きしませんし、同じことを繰り返すと、無視するひとが増えてうまくいかなくなります。
[ 2020/05/19 13:46 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

GW秘蔵ネタまつり 第2弾 南極物語の闇

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。今年のゴールデンウィーク、みなさんは、いかがお過ごしだったでしょうか(むなしすぎる質問)
 前回の「させていただく」のルーツに続き、コピー資料を整理するなかで出てきた秘蔵ネタ第2弾をお送りします。
 今回は『週刊新潮』1958(昭和33)年3月10日号の「カラフト犬狂騒曲」。いまではタロ・ジロといえば美談、感動物語として有名です。南極越冬隊が天候不良で危険になり、急遽帰国したため、イヌを残してきた。翌年訪れると生きていたタロ・ジロと再会できた! というあれね。
 だけど美談になったのは、イヌが生きていたとわかったあとのこと。南極にイヌを置き去りにしてきたと報道された直後には、おぞましいまでの罵詈雑言と脅迫の嵐が吹き荒れていた事実は、美談のジャマになるので歴史の闇に葬られました。

 南極観測隊の本部があった文部省や、隊長宅、隊員宅には、「イヌ殺し!」と罵る電話が毎日何度もかかってきます。手紙、電報も山のように届くので、家族はノイローゼに。なお、まだこの時点ではイヌの名前は知られてないので、カラフト犬やイヌと呼ばれてます。

「リュックをおけばイヌは運べる、それだけでもイヌ殺しだ!」
「宗谷(観測船)と留守宅を爆破するぞ」
「カラフト犬を助けないとしたならば……日本の国威にドロをぬるつもりか!」
「イヌを帰さないんなら、隊長をクサリにつないどけ」
「電話を手にして笑っていた(隊長の)奥さんの写真をみて腹が立った。イヌはまだ残っている」
「私は放火常習犯ですが、イヌを殺したら、必ずお宅に放火する」

 いやはや、なんともすさまじい。
 個人情報保護があたりまえになった現代の若者はくびをひねってるかもしれませんが、当時はプライバシーの意識がまだ薄かったんです。電話帳に名前と住所を載せるのがあたりまえだったので、他人の住所などをわりと簡単に調べられました。
 余談ですが、昭和30年代の漫画雑誌には、漫画家の住所が書いてあります。昭和40年代くらいまでに出版された本には、奥付に著者の住所が書いてあるものがたくさんあります。
 そんなことして、ヘンなヤツが自宅に来ちゃったりしないのか? まあ、来たか来ないかといわれたら……来ました。作家がアブナいファンに襲われたなんて事件も起きてます。
 そんなわけで南極越冬隊員の自宅にもヘンなひとがかなり来てたようですよ。週刊新潮の記事でも、記者が隊長の自宅を訪れて取材した帰りに、家の周りをうろうろしてた年輩の紳士に話を聞いてます。やはりイヌのことで抗議するつもりで来たのだとか。
「昨日も来たんですが、留守宅にうかがうのは失礼だと思ってこうして立っているのです」
 毎日来てるってよ! 絶対ヤバいヤツだって。

 ネットやSNSが人間性を劣化させたのではありません。人間の本性はむかしから変わってないんです。
[ 2020/05/06 17:55 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

パオロの著書一覧

 パソコンのブラウザで見るとブログの左端に表示される著書一覧が、スマホでは表示されないようなので、スマホ閲覧用にこの記事を作成しました。
 画像をクリックすると、著者の私が書いた内容紹介ページが開きます。書籍販売サイトへの誘導ではありませんのでご安心を。気になる本がありましたら、みなさんがいつも利用している書店や電子書籍のサイトで購入していただければと思います。
 なお、『コドモダマシ』以前に刊行された作品には紹介ページがありませんので、ご了承ください。
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[ 2020/05/03 13:46 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
偽善のトリセツ

歴史の「普通」ってなんですか?

世間を渡る読書術

会社苦いかしょっぱいか

みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

日本文化史

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13歳からの反社会学(文庫)

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