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パオ散歩 東京下町編

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。
 パオロ・マッツァリーノのおもてなされ散歩。今日は、東京の下町におじゃましています。おい、来てやったぞ! だれか私をもてなせ!
 東京の下町を歩くと、民家の玄関先に小汚い植木鉢が並んでます。じゃまくさいですねぇ。東京オリンピックまでには、どかしてください。
 もうひとつ、東京の景観を汚してるのが、「誰か見てるぞ!」と書かれた防犯祈願の厄除けステッカー。民家の玄関ドアや門扉にべたべた貼ってあってありますが、あの言葉、なんかヘンじゃないですか?
 あの言葉を文法的・言語学的に解釈すると、「誰か見てるぞ! オレは見てないけど……」という意味にとれます。
 もしも自分が見てるなら、「オレが見てるぞ!」じゃなきゃおかしいわけです。「誰か見てるぞ」ってことは、オレは見てねえんだよ、と監視をサボってることを堂々と宣言し、そのうえ、他のヤツ誰か見てろよ、と他人に義務を押しつける、なんとも無責任でずうずうしい態度が垣間見えます。人間のクズといっても過言ではありません。
 はい、反論。「オレ」は「誰か」に含まれるんじゃないですか? オレも見てるのではないですか?
 ほほう。じゃあ「誰か助けてー!」と叫んで助けを求めてる人は、「誰か」に自分も含めてるのでしょうか? ちがいますよね。「誰か助けてー! 自助努力ではムリそうだから……」と主張してるわけです。
 てことは、「誰か」に自分は含まれないと考えるのが妥当であって、やっぱり「誰か見てるぞ」はオレは見てないぞ、と解釈するべきでしょう。
 いやあ、散歩っていいもんですね。散歩で脳のリフレッシュ。パオロ・マッツァリーノのヘリクツ散歩、また次回(番組名変わっとるぞ)
[ 2014/06/13 20:36 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
つっこみ力

読むワイドショー

思考の憑きもの

サラリーマン生態100年史

偽善のトリセツ

歴史の「普通」ってなんですか?

世間を渡る読書術

会社苦いかしょっぱいか

みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

日本文化史

偽善のすすめ

13歳からの反社会学(文庫)

ザ・世のなか力

怒る!日本文化論

日本列島プチ改造論(文庫)

パオロ・マッツァリーノの日本史漫談

コドモダマシ(文庫)

13歳からの反社会学

続・反社会学講座(文庫)

日本列島プチ改造論

コドモダマシ

反社会学講座(文庫)

つっこみ力

反社会学の不埒な研究報告