ひとりぼっちで公園にいる寂しげな少年に、通りすがりの手品師C.モムーラ氏が話しかけました。
「キミ、元気を出しなさい」
モムーラ氏がパチンと指を鳴らすと、少年の手のなかにキラキラ光る紙切れがあらわれました。
「なにこれ……パーティー券? わー、楽しそうだね。有名アーティストとかも来るの?」
「有名アーティストは、来ないかな」
「じゃあ、だれが来るの?」
「有名政治家の孫とか、学校法人理事とか」
「へぇ……。とにかく、ありがとう!」
「なにかカン違いしてるようだね。キミにあげるとはいってないよ」
少年があらためてパーティー券を見ると、ねだん200まんえんと書いてありました。
「くれるんじゃないのかぁ……」
少年はポケットから200まんえんを取り出して、モムーラ氏に渡しました。
「大金を使っちゃった。パパに報告しなきゃ」
「待ちなさい」
モムーラ氏がまた指をパチンと鳴らすと、公園の池から泥人形が10体、這い上がってきました。
「報告の義務があるのは、20まんえん以上の場合だけだ。キミも含めて11人で、18まん1818えんずつ払ったことにすれば、報告の義務はなくなるよ」
「すごいよ、おじさん! ねえ、この手品のやりかたを詳しく説明してよ!」
「ああ、いいとも。だけど、いまおじさんはトギ戦の応援で忙しいんだ。トギ戦が終わったら、詳しく説明するよ」
「わかった。待ってる! 約束だよ!」
それから一か月。少年は今日も公園で待っていますが、いまだにモムーラ氏は説明をしに来てくれません。
*
約束を守ることの大切さを、クラスのみんなで話しあってみましょう。
C.モムーラ氏の「C」は何の略なのか、クラスのみんなで大喜利をやって盛り上がりましょう。
[ 2017/08/02 18:07 ]
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