こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。7月にBS11で放送された、『たけしの北野レガシー』。昭和の文化についていろいろ語り、なにをレガシーと認定するか決めようって番組で、たけしさんが語った東京オリンピックの思い出話が興味深かったです。
当時都立高校生だったたけしさんは、東京五輪の準備や運営の手伝いをいろいろとやらされたそうです。聖火ランナーが走ってくるのを日の丸の小旗振って沿道で応援する要員とか。クソ暑いなか、町会のオヤジみたいのがはりきって仕切っちゃって、そこに並べ! 旗の振り方が小さい! とかうるさくて、大きなお世話だバカヤロー、とたけしさんは思ったそうです。
大会がはじまると今度はインド対パキスタンのホッケーなど、人気のない競技に、高校生がサクラの観客として派遣されたんだとか。そんなことしてたんですね。だれも客がいないのは海外の選手に失礼だからって配慮でしょうか。
たけしさんも、「やらされてたんだよな」といってましたけど、東京五輪の盛り上がりは、必ずしも国民の自発的なものばかりではなく、お上がムリヤリ演出してた面もかなりあったんですね。
東京MXだったかな? で放送された石原裕次郎の主演映画『紅の翼』。民間航空会社のパイロット役の裕次郎が、謎の男と女性記者と破傷風ワクチンを乗せて小型セスナ機で羽田から八丈島まで向かいます。航空サスペンスとしてもみどころが多いのですが、昭和33年のディテールも見逃せません。羽田空港がこぢんまりとしてて、飛行機もみんな小型だし、のどかな地方空港みたい。
クリスマスイブの街では、酔っ払いのおっさんたちがアタマに三角形の紙帽子をかぶって歩いてます。いまから思うと死ぬほどダサいけど、当時はあれで浮かれてたんですから不思議。
むかしの映画ってけっこうタイアップが露骨なんです。よくあるのはビールですが、この映画ではコカコーラがこれみよがしに映されます。冷えてないコーラをフライト中に飲むんだけど、どう見てもうまくなさそうです。
ところで、ラストで裕次郎を見送る八丈島の人たちが「あばよー!」と手を振ってるんだけど、あばよ、って八丈島の方言だったの?
[ 2017/08/06 21:09 ]
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