こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。この夏は毎日のように、記録的、観測史上最高、みたいな暑さが続きました。ソバやそうめんをゆでるのさえイヤで、スーパーで売ってる冷や奴とネギトロ巻きだけで過ごそうかと思ったくらい。
ただでさえ、暑いってだけでなんか腹立つのに、東京オリンピックの暑さ対策のためサマータイムを導入しようなんていい出すマヌケな政治家たちがいるんだから、余計に腹立ちます。夏場の東京は、朝6時ごろに起きた時点でもう暑いんですよ。朝の8時ごろには30度くらいになってます。冷房入れなきゃ、やってられません。日が沈んでもずっと暑いままなんですよ。1時間時計を早めたところで、暑さ対策にもならないし、経済効果もあるわけない。
カジノにせよ、サマータイムにせよ、海外ではそろそろやめようかって相談してるようなことを、周回遅れでやりたがる日本のおじさん政治家たちって、なんなんでしょうね。
とまあ、そんな暑さのなか、ネットメディアにこんなコラムを書きました。
2030年に氷河期が来る!? 酷暑の中でもトンデモ説がはびこる理由 とりあえずご一読を。扇情的な記事タイトルは編集部がつけたものです。私が考えたのではありません。
……読みましたか? 笑っちゃうでしょ。図書館で下調べをしているあいだ、ずっと苦笑してましたよ。記事でも断言してますけど、2030年に氷河期は来ません。なぜなら、50年前から〝必ず〟氷河期が来ると〝専門家〟が〝断言〟していたにもかかわらず、結局一度も来なかったから。
70年代に一度は消えた氷河期説が、温暖化懐疑論と名を変えて復活したんだから、しぶといですね。ある科学者は2009年に、すでに太陽活動の低下がはじまっているから、地球はすぐにも寒冷化する。数年で温暖化論争には決着がつく! と豪語してました。
はい、ハズレ~。あんたの負け~。なのにこのひと、2015年になっても、数年後に寒冷化がはじまると発言してたそうです。ズリぃなあ。1万年くらいそういい続けてりゃ、いつか当たるだろうから、がんばって長生きしてください。
あらためて調べてみて知ったのですが、氷河期到来ブームだった70年代に、すでに温暖化論もあったんですね。で、当時から、温暖化を支持する科学者のほうが多かったというのが事実。キリンビールも広告で温暖化を支持してたようですし。
1968年の『少年マガジン』に、温暖化で水没した都市で人類が暮らす未来予想イラストが掲載されてたってのも驚くでしょ。
未来人がダイオウイカとモリ一本で戦ってたりするんだけど、未来だったらもっといい武器がありそうなもんですけどね。水中のビルの谷間で使える立体起動装置とか、誰も発明しないのか。未来人はみんなバカなのかな?