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オレのワイルド

 ワイルド慎ちゃんだぜぇ。政府が島に上陸を認めてくれないぜぇ。だからヨットで強引に上陸してやることにしたぜぇ。慎ちゃん、太陽族だからヨットが好きなんだぜぇ。ワイルドだろう?
 こんにちは。他人のギャグはめったに使わないパオロ・マッツァリーノです。が、療養中のスギちゃんを応援するために、あえてワイルドネタをやってみました。

 私のワイルドといえば、家の中でクモを放し飼いにしていることくらいですかねえ。飼ってるというか、いつのまにか住みついてたのを放置して共存してるだけなんですが。
 虫に対する思い入れは、まったくありません。好きでもないけど、忌み嫌うほどでもない。昆虫採集になんてまったく興味ないけど、セミやカマキリを手でつかむくらいなら平気でやれます。
 毎年夏になると、自転車置き場においてある私の自転車のサドルやカゴに、なぜかカマキリがちょこんと乗ってることがよくあるんです。自転車のフレームがダークグリーンだから保護色で? ってこともないと思いますが、生理的に虫が苦手な人がそんな状況に遭遇したらパニックになってしまうかもしれません。私はそういうときでも慌てず騒がず、カマキリの背中をつまんでポイと芝生に投げ捨ててお引き取り願うだけ。
 でもそんなおおらかに対応するのは外だからです。家の中でハエやゴキブリをみつけたら、躊躇なく殺虫剤をブシューっとかけて殺してしまいます。さすがにゴキブリは手でつかみたくないし、叩いたりするとかえって汚ならしい。
 数年前、壁にちっちゃい黒いものが止まってたんで、てっきりハエだと思いました。しかし近寄って見ると、クモでした。全体は真っ黒なのですが、ハラと腕のところに鮮やかな白いラインがシュッと入ってる。ジャージみたいでスポーティーなデザインが気に入って、こいつなら部屋にいてもいいか、と放置することにしました。
 しばらくすると、もう一匹、今度は黒ジャージのやつよりひとまわり大きくて、茶色いクモを発見しました。おっ、なんだ、2種類のクモが私の部屋で生存競争を繰り広げているのか、などと生態にちょっと興味を持ったんで、図書館でクモの図鑑を調べてみました。なんと、あの2匹のクモは、同じアダンソンハエトリという種類のオスとメスだったのです。黒ジャージがオスで、茶色のデカいのがメス。図鑑の説明によると、屋内性のクモで、巣を張らず、家の中を歩き回ってダニなどを食べているそうです。
 部屋に巣を張って汚すこともないし、人をかんだりもしないし、ダニを食べてくれるのなら、いいことづくめじゃないですか。姿形が受け入れられない人にとっては問題外でしょうけど、そうでなければ放っておいても問題なさそうです。
 というわけで今年の夏も、黒ジャージと茶色いのが、ときおり壁や天井をひょこひょこ歩いてます。冬になるといつのまにかいなくなります。たぶんどこかでじっと身を潜めているのでしょう。
[ 2012/09/02 17:34 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
つっこみ力

読むワイドショー

思考の憑きもの

サラリーマン生態100年史

偽善のトリセツ

歴史の「普通」ってなんですか?

世間を渡る読書術

会社苦いかしょっぱいか

みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

日本文化史

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13歳からの反社会学(文庫)

ザ・世のなか力

怒る!日本文化論

日本列島プチ改造論(文庫)

パオロ・マッツァリーノの日本史漫談

コドモダマシ(文庫)

13歳からの反社会学

続・反社会学講座(文庫)

日本列島プチ改造論

コドモダマシ

反社会学講座(文庫)

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反社会学の不埒な研究報告