こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。あまりブログを更新できてませんが、昨年あまり仕事ができなかったぶんを取り戻すべく、書き下ろしの新刊執筆にはげんでいるためです。トロッコ問題をありがたがる哲学者気取りの連中をイジるのは、その新刊のなかでやろうかなと思ってます。おたのしみに。
そんな矢先に、6年使ったノートパソコンが、コンセントにつないでるのになんの前触れもなく電源が落ちる現象に二度見舞われました。いままで使ったパソコンのなかで一番気にいってたので、Windows8.1のサポート終了まで使い続けるつもりだったのに。あきらめて、Windows10のパソコンへ移行しました。
ちょっと前の話ですが、国会で夫婦別姓の話が出ただけでヤジが飛んだのには、がっかりしました。多様性を尊重する社会への道は、まだまだ険しそうです。
べつに日本人全員に夫婦別姓を強制しようっていってるわけじゃないのに。おそらく日本では、導入されても同姓を選ぶカップルのほうが多いでしょう。なのに、選択制すら許さないっていう連中の狭い了見がわからない。自分が困るわけでもないのに、他人にそこまで不寛容になれるのって、もはや単なるわがままですよね。
夫婦別姓反対論者に共通するのは、ファクトフルネスどころか、ファクトレスネス。歴史的な事実を無視、捏造して反対論のよりどころとしてるんです。
夫婦別姓は日本の伝統を壊すなんて、歴史の事実に反する主張をしてるのが女性議員であることにも呆れます。そういう議員には、「女は議員になれなかったのが日本の伝統だぞ、おまえがいますぐ辞めろ!」とヤジを飛ばしましょう。
江戸時代までの日本では夫婦別姓が基本だったし、家制度もそれを前提として成立してたということは、常識なのかなと思ってましたが、そうでもないのかな? 懐古主義者が責めるべき相手は、西洋のマネをして日本の伝統文化を壊した明治政府のほうではないのですか。
NHKの時代劇の考証をしている大森洋平さんの『考証要集』では、いくつか例をあげて、むかしの夫婦別姓をわかりやすく説明しています。浅井長政の妻、市は「浅井市」ではない。浅井長政正室織田氏である。町人なら(姓がないので強いていうなら)大工熊五郎女房 おとら、みたいになる、と。
夫婦別姓なんかを認めたら、日本が韓国になっちまう! なんてわけのわからんことをいってるひとにも、ていねいな説明をしてあげましょう。夫婦別姓を認めても、毎日キムチを食っても、日本は韓国にはなりませんよ、って。
[ 2020/02/01 17:02 ]
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