こんにちは、CD世代のパオロ・マッツァリーノです。レコードプレイヤーもまだ持ってます。渋谷タワーレコードの改装がほぼ終わったようなので、先週、寄ってみました(まだ一部フロアは改装中)。
かつて東京都心の大型CDショップといえば、渋谷にはタワーレコードとHMV、新宿にはタワレコ、HMV、ヴァージン。それがいまや渋谷も新宿もタワレコを残すのみ。秋葉原には石丸電気の大型CD店が数軒ありまして、ジャズ・クラシック専門館には頻繁に通ったものです。あの店がなくなって、秋葉原から足が遠のきました。
音楽はネット通販かダウンロードで買うのがあたりまえの時代になってしまったのだと痛感させられます。たしかに、欲しいもの、買いたいものが決まってればネット通販は便利ですからね。普及するのもわかります。
タワレコだってネット通販やってるわけだし、近所のセブンイレブンで受け取れば、送料も手数料も無料とのこと。そんなことしてセブンイレブンになんのメリットがあるのかと不思議に思ってググってみたら、いつのまにかセブン&アイがタワレコの大株主になってたんですね。へえ。株や投資にまったく興味がないもので、その手の情報には疎いのです。よくニュースに名前が登場する、国債の格付けとかをやってるムーディーズって会社についてググったら、エッチなビデオを作ってる会社だとわかって驚きました。いまどきの企業は多角経営をしているのですなあ(べつの会社ですよ)。
それはさておき、渋谷タワレコの話。この時期に改装を決行したということは、まだ当分店をたたむつもりはないという意思表示です。ちょっと安心。
クラシックやジャズだけでなく洋楽フロアまで、以前よりも落ち着いた印象の、オトナっぽい内装になってました。やっぱりパッケージメディアを買いに来るのはオトナ中心ってことなのか。
私がたまにタワレコみたいな大型店に行く理由は、普段あまり聴かないジャンルの音楽を積極的に試聴したいから。ネットのiTunesストアとかでも試聴はできるけど、店員のおすすめみたいなのがほとんどないから、どれを聴いたらいいのかわからないのです。
K-POPでもAKBでもジャニーズでも、店員が手書きポップつけて熱心にプッシュしてるなら、とりあえず聴いてみます。たいてい自分の好みにはあわないけれど、好みじゃなかったと確認できただけでも、聴いてみた価値があるじゃない。
先日は、日本のインディーズコーナーに注目してみました。もちろん、ひとつとして知ってるバンドなんかありゃしません。試聴機には、バンド名からしてふざけてんのかと怒られそうなヘンな名前のものが並んでいるのですが、これは仕方がないのでしょう。過去に何万、何十万組というバンドが存在してるわけで、ありきたりな名前はすべて使われちゃってると思ってまちがいない。となると、かぶらないためには変わったバンド名をつけざるをえないですよね。変わった名前の私がいうのもなんですが。
禁断の多数決。いかにもインディーズらしい、シュールなネーミング。ファンの人たちは、キンタスとかキンケツとか略して呼ぶのでしょうか。個人的に今回いちばんウケたのは、打首獄門同好会。しかもCDのタイトルが「獄門のすすめ」だって。もう、いい意味で、バカ。
もちろんどちらも試聴しましたよ。しましたとも。残念ながらどちらのバンドも、私の好みにはあわなかったけど、それはそれでいいんです。私は自分が嫌いなものの存在も認めます。
あれは嫌いだと公言することもあるし、ときに批判することもあります。だけど、自分の好みにあわないもの、嫌いなものはこの世から消えてなくなれ、なんて狭量なことをいう人間にはなりたくない。
つまるところは、イヤなら自分が見なきゃいいだけ、聴かなきゃいいだけのことなんだから。明らかに犯罪を助長するようなものでないかぎり、他人にまで、あれは見るな聞くな放送するなと強制するのはお門違いです。むしろ私は、自分が嫌いなものも存在できる自由な世の中であってほしいと願います。
[ 2012/10/29 19:29 ]
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