こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。韓国の宗教団体と日本の政治家がとても仲良しだったことがバレてしまいました。ここ数年、「戦後最悪の日韓関係」というフレーズをしょっちゅう耳にしてきましたけど、あれ、なんだったんですかね。
政治と宗教の癒着は非常に危険なので、キビシく規制すべきです。今回の問題をうやむやにすれば逃げ切れると思ってる政治家たちをそう簡単に許してはいけません。ですが暑いなか、暑苦しいことを考えて不快指数を上げたくないんで、今日のところは久々にドラマの話をします。
春ドラマについては『しずかちゃんとパパ』をベストに選びました。全然話題にならなかったけど、その後、ATP賞テレビグランプリで優秀賞を受賞してたので、見てる人は見ています。てか、NHKBSのドラマを見てる人がとても少ないのでしょうね。脚本家の蛭田さん、次作も期待してます。
その一方で、NHK地上波の『正直不動産』があんなに熱烈な支持を得るとは、誰も予想してなかったのでは。営業マンが呪いでウソをつけなくなるというファンタジーっぽい設定でも荒唐無稽に感じないのは、不動産業界で現実に横行している顧客軽視のインチキや不正行為を告発する社会性があったからでしょう。社会問題とまったく向き合ってないドラマって、薄っぺらいですよ。
こういった業界の恥部を晒すドラマはスポンサー第一の民放ではできない企画なんだろうなと、いま放送中の『魔法のリノベ』を観るとあらためて思います。こちらは住宅リフォーム会社の全面協力でやってるんです。だからこのドラマには、悪徳リフォーム業者は出てきません。
この夏のドラマで私が太鼓判を押せるのは『初恋の悪魔』と『僕の姉ちゃん』の2本です。
次点が『家庭教師のトラコ』。他人に推すほどじゃないけどなんとなく毎週観てるのが『魔法のリノベ』。
恋愛や結婚で傷ついた過去を持つ主人公が新たな一歩を踏み出すという『魔法のリノベ』の設定はなんか既視感あるなあと思ったら、波瑠さんは『G線上のあなたと私』でもそんな役やってましたよね(『G線上……』は秀作でした)。
キャラの背景は、じょじょにわかっていくのが連ドラならではのおもしろさなんじゃないの。なのに最近のドラマは初回を15分拡大とか長くして、全部説明しちゃうんですよ。だから2話目以降が薄くなる。
少なくともその点に関しては、『初恋の悪魔』と『家庭教師のトラコ』は小出しにして興味をつなぎ止める加減に脚本家の腕を感じます。でも『魔法のリノベ』だって脚本書いてるのは新人ではなく、手練れの上田誠さんなんだから、その気になればもっとひねったおもしろい構成にできるはずです。私はそれを期待してたのですが、原作ものだから原作をいじれない縛りがあるのかな?
『初恋の悪魔』は最初、え~、坂元さんまでミステリなの? と不安だったけど、フタを開けると、最近の粗製濫造ミステリドラマとはひと味もふた味も違いました。「さあゲームの始まりです」みたいな安易な設定のスリラーを揶揄するエピソードを入れてくるイジワルさにも笑えます。
謎めいたクセの強いキャラばかりなので、初回は俳優のみなさんも探り探り演じてる感があったのですが、回を追うごとに掛け合いの息が合ってきました。完全な善人も完全な悪人もいないという人間観が根底にあるのもいいですね。ただ、要素盛りだくさんなので、どこまで伝わるかなって気も。
『僕の姉ちゃん』は現代を舞台としたコメディですが、昭和レトロ感を狙いにいってます。小津安二郎とか、あの時代の映画の雰囲気を再現したいのでしょう。音楽もそれっぽいし、黒木華さんが職場で着てる服も昭和レトロ風のデザインのものばかり。
家庭的な面をアピールする職場の女子にダマされるなと弟に警告しておきながら、男性社員からかかってきた電話に出て、いま、ほうれんそう茹でてるところですぅ、と、しれっとウソをつくおちゃめな姉を黒木さんがイヤミなく演じてます。
評価が割れそうなのが、『家庭教師のトラコ』です。説教くせえ? それが遊川作品ですから。人間と社会のイヤな部分を引きずり出して説教する作風は、人によっては嫌いでしょう。私もここ最近の遊川作品は1話で脱落してたのですが、今回は『家政婦のミタ』と『女王の教室』を混ぜたようなテイストで期待できます。トラコがいってることは案外、常識的です。不条理や不合理で歪んでる現実社会では、コスプレでもしなければ常識を叫べないってことでしょうか。
[ 2022/08/17 13:41 ]
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