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ホームルーター導入体験記

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。しばらくぶりで引っ越しをしました。引っ越しはRPGです。手続きや作業で次々に予想外のサブクエストみたいなのが出現し、ひとつひとつクリアしていかなきゃなりません。
 引っ越し前日に洗濯機の給水ホースを外すために蛇口を閉めようとしたら、長年開けっ放しにしてたせいで蛇口のハンドルが固くなってて回らない! とか。

 さて、メインクエストのひとつが、ネット環境をどうするかでした。転居先で光回線を使うには宅内工事が必要で、完了するまでネットが使えません。
 となると工事不要ですぐに使えるモバイル回線、ホームルーターを使うヤツならいきなり引っ越した日から使えて便利です。いまは5G対応でかなり高速になったそうですし。
 とはいえそれは電波をうまく掴めれば、の話なんですよね。モバイル回線を家で使うのはギャンブル的な要素が大きいんです。一応各社ともサイトに電波状況を示すマップを載せてますが、周辺の状況にかなり左右されるので、どれくらい速度が出るのかは、実際に使ってみないとわかりません。
 ネットで評判を検索すると、爆速でつながり5Gすげえと喜んでる人から、使いものにならない遅さに怒り心頭の人まで、当たりはずれの振れ幅が大きいところがまさにギャンブル。
 私の場合はネットゲームをやらないし、いまのところユーチューバーになる予定もないので大きな動画ファイルをアップする必要もありません。4Kではない配信動画が見られればいいので、常時安定して30Mbpsくらい出てればじゅうぶんです。要求する水準が低いのでモバイル回線向きの人ではあります。
 30Mbpsでじゅうぶんとする根拠は、だいぶ前にモバイル回線を家で使ってた経験です。むかし、元祖WIMAX(2になる前の)を使ってたことがあるんです。以前住んでた部屋では常時25Mbpsくらい出てまして、なんの不満もありませんでした。
 ところがWIMAXが2に移行する際に容量制限が課されるようになったので解約しました。3日間で通信量が何ギガとかを越えると、その後数日間、通信速度がめちゃくちゃ遅くなるペナルティをくらうというシステムです。私にとっては家のネットは速度よりも容量無制限であることが重要なので、これでは使いものになりません。

 そして時代は流れ、2021年に大きな動きがありました。ドコモがhome5Gというモバイル回線を使ったホームルーター接続サービスを開始しまして、これが容量無制限だったことで、かなりの人気となりました。
 突然の強力なライバルの出現に対抗するため、WIMAXも今年の初頭、ついに容量制限の撤廃に踏み切りました。その結果、モバイルホームルーター回線は、事実上ドコモとWIMAXの2強時代となったのです。
 ソフトバンクエアーもあるじゃないか? でもこれは2強より速度やつながりやすさで劣るとの評価が多いわりに料金が安いわけでもないので、あなたが孫さん推しのガチ勢とかでもないかぎりは、いまあえて選ぶメリットはないでしょう。ソフトバンクのスマホユーザーならスマホとのセット割引きがありますが、それいうならドコモにもWIMAXにもセット割があるからスマホごと乗り換えてしまえばいいわけで。

 さてそうなると、ドコモとWIMAXのどちらにするかですね。ネットにアップされている実測値を見ると全般的には、ドコモのほうが速度面では有利な数字が出ています。が、最近になってサービス開始時よりも速度が落ちたという報告もちらほらと上がり始めました。ユーザーが増えたことで電波の食いあいになっているのかもしれません。

 一方、利用料金はWIMAXのほうが若干安い。かなり差があるのはホームルーター本体の値段で、WIMAXは1万円程度(支払方法によってはさらに値引きアリ)ですが、ドコモは4万円くらいします。ただし、ドコモの料金プランでは、3年間使い続ければ実質上ホームルーター代が値引きされてタダになるそうです。
 3年かぁ……。ちなみにドコモにもWIMAXにも契約自体には期間縛りみたいのはありません。ただし(ただしが多いのがネット回線契約の複雑なところ)、WIMAX回線は本家UQ以外のプロバイダも扱っていて、そちらから申し込むと、2年とか期間縛りがある代わりにキャッシュバックによる値引き制度があったりと複雑で、コストを追求するとますます混沌としてきます。

 ざっくりまとめると、接続と速度の確実さを取るならドコモ、コストを勘案するとWIMAXってところでしょうか。
 悩んでるうちに、思い出しました。むかしWIMAXには無料お試し制度があったことを。まだやってるのかと調べてみたら、やってました。2週間ルーターを無料で貸し出してくれるんです。無料ですがクレジットカードの登録が必須です。要するに、万が一貸出機器を紛失した場合などの請求に使われるものなのでしょう。ちゃんと返却すればお金を請求されることはありません。

 今回私は都内での引っ越しなので、モバイルルーターを借りれば引っ越し先の建物の前まで行って電波状況を確認できます。それで満足できる数値ならWIMAXを契約すればいいし、ダメならドコモにすればいい。これでギャンブルをある程度回避できます。
 さっそく借りてみました。まずは引っ越し前の部屋で計測。そこは5G未対応の4G地域でしたが、グーグルのネット速度テストをやると、なんと130Mbpsも出るじゃないですか。
 引っ越し先は5GNR地域ですが、いわゆる「なんちゃって5G」なので過度な期待はしないほうがよさそうです。
 平日の昼間に建物前で計測すると、100Mbpsくらいでした。ホームルーターはモバイルルーターよりも速度が出るのが普通なので、私的にはこれでじゅうぶんと判断し、WIMAXのホームルーターを申し込むことにしました。

 引っ越し後、室内窓際にホームルーターを設置。平日の昼間なら調子のいいときは200Mbpsくらい出てるときもありますが、だいたいは120から150Mbps前後ですね。夜間の混雑時でも80Mbpsくらい。60を下回ったことはないので、動画配信が止まったりすることはありません。

 ひとつ不満もあります。ときどきネット接続が切れること。パソコンのブラウザでネットを見てるときにエラー表示になり、あれっ? と思ってWindowsのタスクバーのアイコンを見るとネット未接続になってます。数秒待てば自動的につながりますけど、ときどき起きるから、またか、とイラつきます。
 ネットのユーザー報告では、WIMAX自体の接続が切れてルーターを再起動しなければならないケースもあるとのことですが、私の場合はルーターとパソコンとの接続になんらかの問題があるようです。
 WIMAXのルーターの接続が不安定という声はけっこうありますね。ネット上のさまざまな対処法を参考にして、ルーターのwifi設定で11axモードをオフ。2.4GHzと5GHzの周波数自動設定もオフにしてみたところ、接続が切れる回数はかなり減ったような……? まあ、これでしばらく様子を見ます。
[ 2022/10/25 21:45 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
つっこみ力

読むワイドショー

思考の憑きもの

サラリーマン生態100年史

偽善のトリセツ

歴史の「普通」ってなんですか?

世間を渡る読書術

会社苦いかしょっぱいか

みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

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13歳からの反社会学(文庫)

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パオロ・マッツァリーノの日本史漫談

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