こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。この夏の目標は、違法ハウスで脱法ハーブを吸うことです(ウソ)。
それと、ヨナナスメーカーを買うことです(これもたぶんウソ)。
全然ちがう話ですけど、こないだNHKBSで『ゴレンジャー』の最終回を放送してました。んー、ひとことでいうと、「コスプレ悪ふざけ」。むかしのちびっ子は、あれをコントと思わずマジメに見てたのかなあ。
また全然ちがう話。先日、電車に乗ったときのこと。座席の一番はじに60がらみのスーツ着たオッサンが座り、ひとつあけて私が座ってました。次の駅で、20代後半くらいのサラリーマン風の若者が乗ってきて、オッサンと私のあいだに腰を下ろしました(おまえだってオッサンじゃないかという指摘は、話がややこしくなるので、今日のところはご遠慮ください)。
しばらくすると、はじに座ったオッサンが、若者を怒鳴りつけました。どうやら、若者が座ったときに、オッサンのスーツの上着の裾の上に座ってしまってたらしい。まあ、そんなのはよくあることですよね。
ところがオッサンは「気づかないわけないだろう! なにやってんだ!」などと何度も怒鳴るんです。若者は「すいません」と謝りました。それでおさまったかなあ、と思ったのもつかのま、十秒くらい沈黙したのちに、またオッサンが蒸し返し、若者を怒鳴りはじめました。
若者は冷静に応えます。「なんですか、話があるなら次の駅で降りて話しましょうよ。こんなところでは恥ずかしいでしょ」
しかしオッサンはしつこく絡み続けます。当事者である若者よりも、となりにいる私のほうがイラッと来てしまいました。しつこいジジイだなぁ。あんたは苦情を申し立てた、そして相手がすいませんと謝った。それでいいじゃない。それ以上なにかを要求したら、恐喝だぞ――という言葉が、ほとんど口に出かかりましたけど、いいませんでした。
その代わり、これ以上エスカレートしたら証人になって若者に味方するつもりで、私はふたりの顔を見ておぼえ、一連の経緯も記憶しておくことに。
しかし電車が次の駅に着くと、若者はぷいと席を立って電車を降りてしまいました。どうもその様子を見るかぎりでは、そこが目的の駅だったわけじゃなく、不愉快だから電車を降りたのだろうと思います。
『怒る! 日本文化論』という怒りかたマニュアルの執筆者としていわせてもらいますけど、怒りは一度ビシッと相手に伝えるだけで済ませるべきです。それで相手が謝ればよし、無視されたとしても、ねちねち何度も繰り返さないことです。
シカトするような相手には、何回怒っても謝罪を引き出すことなどできません。公衆の面前で叱られたという事実だけで、内心、相手は心おだやかではないのです。叱られたのがくやしいから、シカトして平気なようにふるまうんです。
ねちねち怒って深追いしても、あとは不毛な暴力沙汰に発展するだけ。なんの満足もカタルシスも得られませんよ。
[ 2013/07/18 16:50 ]
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