こんにちは、近所のコンビニからプレミアムホームランバーが消えてがっかりのパオロ・マッツァリーノです。
高知県の四万十
(江川崎アメダス)で日本一となる気温41度が計測された件で、観測環境への疑問の声が上がりました。
だれがいい出しっぺなのかはわからないのですが、たとえばヤフーニュースに、気象予報士の森田さんがこんなコラム「
「41度」日本記録への疑問」を書いてまして、TBS『Nスタ』の天気予報でもネタにしてました。
アメダス周辺部はアスファルトや踏み固められた土に囲まれています。しかも、このアスファルト(駐車場)は、二年半前の2011年1月に舗装されたばかりだそうです。このアスファルトが、今回の高温に何らかの影響を与えている可能性はないのでしょうか。
ないと思います。純粋に論理的に判断すればね。このコラムの文章から与えられる情報だけで論理的に考えると、森田さんは自分で自分の説をすでに否定してるんです。
アスファルトで舗装されたのは、2011年1月だったんでしょ? もしもアスファルトから反射する熱が実際に影響を与えているなら、去年・おととしにも、日本記録が出てるはずです。それがなんで2年以上たった今年になって急に影響をおよぼすようになったのですか?
この明らかな矛盾だけでも、アスファルトからの影響を否定する要素としてはじゅうぶんに思えるのですがねえ。
ちなみに江川崎アメダスの直下が写真で黒く見えるのはアスファルトでなく、地面に敷かれた雑草を生やさないようにするシートだと、フジテレビの『とくダネ!』がレポートしてました。ただし、このシートを敷いたのがいつなのかは不明です。それが昨夏以降だったのなら高温の原因かもしれません。
論理思考だけでは真実とはいえない? では
気象庁のデータも確認してみましょう。江川崎と、その近辺の宿毛、近永、そしてライバルの熊谷、多治見の過去の最高気温の比較です

このグラフで見ると、2007年の熊谷・多治見の記録も突出しててアヤシいといえなくもない。2010年と2011年の比較では、他が横ばいか低下なのに、熊谷だけが前年より大幅にアップしています。これもなんかのドーピングくさいなあ。江川崎だけ妙に安定してるってのも、逆にアヤシい気もするし……
とまあ、最高気温なんて値は、瞬間的なものだからバラツキが多く、いくらでもケチをつけられます。なんらかの自然現象によるドーピングや、観測のタイミングなどによって偶然、突出した値が出てしまうのが実情でしょう。
そんな偶然の産物みたいな数値なんだから、最高気温で勝った負けたと競うのは、しょせんお遊びにすぎません。町おこしだの観光収入だのと、ヤラシイことを考えるヤツはヤだね。ヤボだね。